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国際会計基準(IFRS)がやってくる。 連載第6回
「実はあまり触れられない『隠れたインパクト』とは?」

vol.6

前号のコラムでは、IFRS適用までの準備としては、まずはIFRSとは何かを
理解し始める時期に来ているという点についてお話しました。
そこで今号から、IFRSにおける概念について、順次触れていきたいと思います。
バックナンバーはこちら)

IFRSと日本の会計基準の差として、「貸借対照表/損益計算書」が
「財政状態計算書/包括利益計算書」に変更されますが、加えて
「PL重視からBS重視へ変わる」という表現をお聞きになっている方も多いのではないでしょうか。
ただ、その違いがいったいどのようなインパクトを与えるのかという情報については、
まだまだ少ないように感じます。

国際会計基準との差異を埋めようとする「コンバージェンス」が順次実施されている
現在の日本の会計基準ですが、基準の根本が「その企業が1年間でいかに利益を
生み出せたか」を伝える「損益結果の重視」であることに変わりはありません。

BS重視と呼ばれるIFRSにおいては、各ステークホルダーが、その企業価値評価のための
情報提供を目的としています。短期的な損益状況で判断するのではなく、その企業が将来的に
キャッシュフローを生み出し、成長していける力があるかどうかを正しく表現しようとしているのです。

そのため、将来的なキャッシュを生み出す力を図るためにも、例えば固定資産や
金融資産などを時価評価したうえで総合的な企業資産価値の増減(=包括利益)によって、
経営状態を表現しようという思想が生まれてくるわけです。
(これが、いわゆる「BS重視」と呼ばれる所以です。)

これらの概念の変化は、企業の経営管理にも大きな影響を与えます。
つまり、企業の経営層は新たな概念のもとで意思決定する必要が出てきます。
「マネジメントアプローチ」の概念に照らし合わせ、PL科目重視だった
これまでの経営管理スタイルを、セグメント別BS科目管理や予実管理などにも広げ、
経営管理のスタイルを大きくシフトする必要が出てくるのではないでしょうか。

財務諸表の形式が変わる、システムにおける複数帳簿の保持など、具現化した
影響範囲についてはいくつか議論があるようですが、上述の根本的な概念の違いこそが、
IFRS適用において最も大きなインパクトをもたらす内容なのかもしれません。

次号も引き続き、IFRS概念に関するコラムを配信予定です。

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