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国際会計基準(IFRS)がやってくる。 連載第14回
「非上場企業におけるIFRS適用は実施されるのか?」

vol.14

今回のコラムでは、IFRS適用の対象となる企業について書いてみたいと思います。
意外とこの内容には、興味深い方々も多数いらっしゃるのではないでしょうか?
(コラムバックナンバーはこちら)

現在、世間のメディアでは『IFRSブーム』であることはご存知のとおりです。
このメルマガのコラムもまさに便乗している、と言えばその通りなのですが・・・
また、IFRSは実際の適用までしばらく時間がかかることもあり、
いつまでメディアにおけるこの『IFRSブーム』が続くかわかりませんが、
とにかく乗り遅れるな!と言わんばかりに過熱している気がしなくもありません。

ただ、冷静になって考えてみた場合、今の世の中にどの程度の企業があり、
IFRS適用によって直接的に影響を受ける企業数が存在するか、ご存知でしょうか?

先日、『非上場会社の会計基準に関する懇談会 検討結果(概要)』という資料が
企業会計基準委員会(ASBJ)のウェブサイトで公開されました。
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/establishment/20100730/press_release/20100730.pdf

その資料によると、IFRSベースでの開示が要求されるのは日本全体で約4,900社、
IFRS開示の対象外とされているいわゆる『非上場企業』については、大小含めて約261万社あると言われており、
実際にIFRS開示が必要になるのは、企業数全体を母数としてから見ればわずか0.2%未満という、
非常に限られた枠での適用となります。

言い換えれば、IFRS開示元年においても残りの99.8%以上の企業が今までの日本の基準や指針をベースに
会計処理を行うこととなり、たった0.2%の企業に対する変更でこの状況ですから、残りの99.8%の企業に対して
IFRS適用となれば、それこそ今の騒ぎどころでは済まないことは容易に想像できます。

また、検討結果の概要資料の中に記載されている内容として、注目すべきポイントは次の2点かと考えています。

1.非上場企業の会計基準や指針は国際基準の影響を受けるべきではない。
2.英国のように非上場企業にも区分を設け、区分ごとの会計基準適用も検討。

このポイントからは、現在の非上場会社(特に小規模)においては、会計基準を国際的なものにする
必然性が乏しいということと、現状の指針自体をさらに平易にしても良いのでは?という趣旨のように受け取れます。
これらのことから、IFRS適用といった難しいことは避けて通りましょう、と暗に述べられているのでしょうか?

実際のコメントとしては『適用は慎重に検討すべき』と言われていますが、インパクトを与える企業数が
あまりに多すぎることや、上述のような考え方も考慮すると、非上場企業に対してIFRSが
全面的に適用されることは現実問題としてありえないように思えます。

逆に言えば、それだけ上場企業に対してはインパクトのある難しいことが行われようとしている、と言えるのかもしれません。

ただ、IFRS適用までの残された時間をどう捉えるかは別として、多くのセミナーでも説明されているとおり、
自社への適用にあたって本当にどの程度のインパクトがあるのか、なるべく早く把握しておきたいですね。

次号もIFRSに関するコラムを掲載予定です。

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