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国際会計基準(IFRS)がやってくる。 連載第15回
「あまり触れられないけれど、意外と大変な『非継続事業』って?」

vol.15

今回のコラムでは、あまり聞きなれない『非継続事業』について触れたいと思います。
(コラムバックナンバーはこちら)

この『非継続事業』については、各メディア等ではあまり大きく焦点が当たっていないように感じているのですが、
IFRSに向けたコンバージェンスやアドプションの取り組みの中では非常に重要な部類に入るテーマです。

というのも、IFRSはもともと市場に向けた『開示』を意識した会計基準であることは
以前のコラムでも触れたとおりですが、この『非継続事業』に関する取り扱いについては
包括利益や過年度遡及、マネジメントアプローチ等と並んで、開示内容に直接的に影響する
テーマであることがその所以です。

非継続事業の細かな定義についてはここでは触れませんが、極論すれば
『これから廃止する、あるいは売却する予定が決定している事業や子会社』を指すものです。

過去、『リストラ』という言葉のもと、多くの企業において、子会社や工場、店舗や支店などを
売却や処分したことがあるかと思いますが、業種や業界問わず、今後も同様の手続きが発生する場面は
十分に考えられます。(つまり、IFRS適用対象の全企業に影響すると言えます。)

その際、廃止や売却の単位や規模にもよりますが、IFRS第5号で規定されている
『非継続事業(廃止事業)』の手続きに則った開示が必要になる可能性がある、ということです。

今までも廃止や売却した事業や子会社等に関する結果情報は、部分的な情報として
決算短信等にも記載されていました。ただ、IFRSでは意思決定が下されて確定している時点の
情報を財務諸表の中で表現していくという点が今までと大きく異なっています。

投資家に向け、『マネジメントアプローチ』の考え方に基づいた情報開示を重視しているIFRSは、
事業を廃止するにあたっても、その事業について独立した数値を開示しなさい、という規定は
非常に筋の通った考え方だと感じます。

ここで、非継続事業に関する情報開示が必須、という規定についてはわかりましたが、
実際の開示にあたってはシステムや会計処理として、何か特別な対応が必要になるのでしょうか?

ただ、これはマネジメントアプローチに向けたシステム対応の一環になるかもしれませんが、
事業別にきっちりと損益や資産を把握するための仕組みがあるか否か、例えば事業セグメントと
実際の組織が異なる場合には仮想的な組織として即座に数値が把握できるのかどうか、
また、廃止事業と決めた時点で過去の情報については『その事業が存在しなかったもの』として
遡及して把握できるか否か、などの対応が必要となってきそうです。

さらに言えば、現在の開示書式とは大きく異なるため、(連結)会計システムや開示システム側での
書式変更対応なども考えられます。

これらのように、システムや会計処理にも色々と影響がありそうですが、
対応方針や内容については随時セミナー等で情報発信していきますのでぜひご期待下さい。

次号もIFRSに関するコラムを掲載予定です。

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