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2018.08.22
ERPノート

クラウドERPコラム(第2回)– 進むERPのクラウドシフト

さまざまな情報システムのクラウド化が進むなかで、ERPシステムもクラウド化も進んできています。クラウドが業務システムに与えている背景をあらためて振り返りながら、ERPシステムをクラウドサービスとして利用するメリットを確認していきます。

1. クラウドサービスの国内利用率は56.9%に

まず、クラウドサービスの現状を統計資料や調査レポートなどから探ってみます。クラウドサービスの現状についてまとめた資料の1つが、今年7月に公表された総務省の「平成30年版 情報通信白書」です。

白書によると、世界のクラウドサービス市場規模は年々増加し「2017年には1,640億ドル、2020年には3,047億ドルに達する」と紹介しています。地域という観点から見ても、先行して立ち上がった「北米」だけでなく、「欧州」「アジア太平洋」「中南米」のいずれでも伸びる見込みです。

国内についてみると、「クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は56.9%であり、前年の46.9%から大幅に上昇している」と指摘しています。さらに、「クラウドサービスを利用する企業のうち『非常に効果があった』または『ある程度効果があった』として効果を実感している企業の割合は85.2%だった」と紹介しています。

クラウドサービスは、世界的にも国内的にもいまや当然のように利用するサービスになっていると言えます。

図1:クラウドサービスの利用状況
図1:クラウドサービスの利用状況
出典:平成30年版 情報通信白書(総務省)

2. クラウドを利用するメリットは?

では、クラウドにはどんなメリットがあるのでしょうか。

クラウドサービスを利用している理由に対する回答で最も多かったのは、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」で45.2%、次いで「どこでもサービスを利用できるから」が34.8%、「安定運用、可用性が高くなるから(アベイラビリティ)」が32.6%、「災害時のバックアップとして利用できるから」が32.4%、「サービスの信頼性が高いから」が29.4%と続きます。

少し前まで「クラウドは心配だから使わない」と考える企業も少なくありませんでしたが、前述した利用率の向上や、上記の「安定運用、可用性が高くなるから」「サービスの信頼性が高いから」という結果からも、クラウドへの信頼感は高まっているようです。なお、白書では、企業がクラウドサービスを利用する効果として、①システム構築の迅速さ・拡張の容易さ、②初期費用・運用費用の削減、③可用性の向上、④利便性の向上という4点を挙げています。

3. 基幹業務でのクラウド利用も増加

次に、どんな業務でクラウドは使われているのかをみてみましょう。利用しているクラウドサービスは、白書によると「ファイル保管・データ共有」が最も多く51.2%に達しています。以下、「サーバ利用」、「電子メール」、「社内情報共有・ポータル」、「データバックアップ」、「スケジュール共有」の後に、「給与、財務会計、人事」が27.1%と続きます。

このうち、前年と比較して利用率が下落したのが、「電子メール」「社内情報共有・ポータル」「スケジュール共有」です。一方、前年よりも利用率が伸びているのが「サーバ利用」「データバックアップ」など、そして「給与、財務会計、人事」です。クラウドの利用形態が、メールやスケジュールなどの「フロント系」から、データ利用や基幹業務での利用といった「バックオフィス系、基幹業務系」にシフトしていることが分かります。

また、平成25年版の情報通信白書では、クラウドサービスの利用内訳の日米比較が行われており、基幹系システムについては、日本では「利用している/利用していた」という回答が1~2割程度以下であるのに対し、米国では2~3割程度となっていることが指摘されています。調査発表から数年が経過し、日本においても基幹系システムのクラウド化が拡大しつつあると言えるでしょう。

4. 財務会計と勤怠管理におけるクラウドサービスの省力化効果

こうしたERPのクラウドシフトは、企業規模を問わず起こっています。中小企業庁が2018年4月に公表した「2018年版 中小企業白書」では、バックオフィス領域の財務会計と勤怠管理におけるクラウドサービスの省力化効果について言及しています。

調査結果では、会計業務においてクラウド会計を導入している企業は全体の13.9%(n=3,743)、勤怠管理業務においてクラウド勤怠管理を導入している企業は全体の9.1%(n=3,819)となっています。

図2は、会計業務と勤怠管理業務でクラウドサービスを導入した企業に対して、月次処理に要する人日が導入前後でどれだけ変化したかを示したものです。クラウド会計、クラウド勤怠管理ともに、月次処理の人日削減割合の平均値は2.6割となっており、生産性向上に貢献していることが分かります。

図2:月次処理の人日削減割合(左:クラウド会計、右:勤怠管理業務)
図2:月次処理の人日削減割合(左:クラウド会計、右:勤怠管理業務)
出典:2018年版中小企業白書(中小企業庁)

ERPシステムも今後、クラウドサービスとしての利用がスタンダードになっていくのではないでしょうか。これを踏まえたうえで、IT戦略、IT投資の立案や実行が求められてくるでしょう。

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