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2019.01.21
ERPノート

クラウドERPコラム(第3回)– 「働き方改革」に不可欠な経費精算や勤怠管理を、ERPで実現するメリット

過去のコラムで、ERPがビジネスの成長を支える基盤として、よりいっそう重要になってきていること、また、ERPをクラウドサービスで利用するケースが多くなってきていることを紹介しました。今回は、企業にとって今日の重要テーマである「働き方改革」に大きく関連する経費管理や勤怠管理をERPで実現するメリットについて考えてみます。

1. クラウドやスマホの普及を「働き方改革」に活かす

「働き方改革」のなかでITが果たす大きな役割の1つとして、「いつでもどこでも働ける環境を整備する」ということがあげられます。具体的には、モバイルワークや在宅勤務など、テレワークを実現するためのネットワークやデバイス、アプリケーションといった環境整備です。

一昔前であれば、ERPを利用するためにこうした環境を整備するには、コストも手間もかかっていました。例えば、経費申請するためには、社内システムにログインする必要があり、そのために専用PCの持ち出しや、VPN接続を行うためのデバイスが必要でした。また、勤怠管理についても、「業務がいつ開始され、いつ終了したのか」を記録するためにさまざまな工夫が求められました。自己申告だけでなく、ログをとったり、Webカメラで記録したりして在席確認をしていたケースもあります。

しかし、今はかなり環境が整ってきています。ERPのクラウド化や、経費精算や勤怠管理に特化したSaaSが登場してきたことで、リモートワークの環境も簡単に整備できるようになりました。また、スマートデバイスが普及し業務利用が広がっていることで、これまでオフィスでしかできなかった経費精算や勤怠管理も、いつでもどこからでもできるようになっています。

2. 経費精算や勤怠管理専門のSaaSを利用する際の留意点

では、経費精算や勤怠管理を行うにあたり、どのようなクラウドサービスを使えばよいか考えてみましよう。

経費精算は、専門のクラウド事業者がSaaSとしてサービス提供を行っているケースがあります。スマートフォンなどから専用サイトや専用アプリでログインし、その場で出張申請や交通費・交際費の精算などを行うというものです。

こうしたサービスのなかには、スマートデバイスのカメラを使って領収書を撮影し、そのまま経費精算に利用できるようなものもあります。また、SUICAなどのICカードと連動して、交通費を自動計算してくれるものもあります。これらは、特定分野に特化していることで、他社にない独自の機能を提供したり、きめ細やかな管理ができることがメリットと言えるでしょう。

しかし、データを一元的に管理できるERPではないということは考慮しなければなりません。経費精算専門のSaaS では、API連携などを行ってデータを管理することになりますが、そのために追加のシステム実装が必要になり、コストや手間がかかることもあります。

このことは、勤怠管理についても同様です。勤怠管理システムも、クラウドに対応し、スマートフォンなどから簡単に、出勤・退勤時の打刻を行ったり、勤務表を確認したりできるようになりました。管理者が申請者と連絡をとって勤務シフトを簡単に作成したり、入退室用のICカードと連携できるもの、GPSで現在位置を確認できるものなどもあります。

しかし、ERPとして活用しようとすると、経費精算のときと同じような課題にぶつかります。APIなどを使ってさまざまなシステムと連携させなければ、利用しているERPのメリットをうまく引き出せないのです。

3. 「データの一元管理とリソースの最適化」がポイント

ここで、働き方改革を実現するための経費精算、勤怠管理には、どんな機能や要件が求められるのか整理しておきましょう。

まずは、コンシューマ向けアプリでは当然のように備わる機能への対応です。具体的には、スマートデバイスへの対応、使いやすいユーザーインタフェース、新しい機能やサービスへの迅速な対応などです。働き方改革は、従業員の業務効率や生産性向上は大きなテーマとなりますが、そのためには、普段利用しているようなアプリの操作感を業務でも同じように実現することが重要です。

また、企業向けアプリですから、コンシューマ向けアプリにはない、権限や役職に応じた情報のコントロール、承認などのワークフロー作成、ミスや設定忘れなどを警告してくれるアラート機能、セキュリティ対応なども重要になります。

そのうえでポイントになるのが「データの一元的な管理」です。経費精算や勤怠管理などで利用されるデータを、会計システムや人事・給与システムなどと連携させることで、「企業リソースの最適化」を図っていくことは、単に働き方改革を定着させるだけでなく、企業を成長させていくために欠かすことができないポイントです。また、データを一元管理できることは、二重入力による無駄やデータ連携結果の確認負荷やミスの削減につながり、人事部門、経理部門の働き方改革にもつながります。

図:SCSKのERP「ProActive for SaaS」は、「経費」「勤怠管理」が「会計」「人事・給与」とシームレスに連携
図:SCSKのERP「ProActive for SaaS」は、「経費」「勤怠管理」が「会計」「人事・給与」とシームレスに連携

データの一元管理と企業リソースの最適化こそが、経費精算や勤怠管理を専用のSaaSサービスではなく、ERPで実現する最大のメリットと言えるでしょう。

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