コラム

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2020.04.27
人事労務トピックス

これからの人事・労務部門はどうあるべきか?
業務負荷を軽減し、付加価値の高い業務を行うには?

少子高齢化を背景にした人材不足の時代において、人事・労務部門が果たす役割は大きいものがあります。しかし、限られた人数での給与計算などの定型業務への対応に忙殺され、社員教育や制度改革、人材の適正配置など本来やるべき業務にまでなかなか時間をさけないというのが実情でしょう。人事・給与システムなどのITシステムやBPOサービスを活用することによる人事・労務部門の業務効率について考えていきます。

1. コア業務に集中できない人事・労務部門の事情

人事・労務部門は一般に、採用、処遇、労務管理、人事制度の企画立案、能力開発などの業務を担当します。企業にとって人材は財産であり、「人財」とも言われています。人材採用や育成に成功することで、企業は他社と差別化した戦略を立案し、それに沿った事業を実行するなど、競争力を確保していくことができます。

一方で、こうした人事・労務部門の業務の中には、必ずしも企業の競争力確保に直接は結びつきづらい定型的な業務も混在しています。例えば、給与計算、勤怠管理、福利厚生などの労務管理の領域です。人と接する業務である採用や人事制度企画、人材開発などに比べ、労務管理はどちらかと言えば制度に接し、運営していく業務です。従業員ごとに細々とした各種作業が発生し、かなりの工数を要する負荷の重い業務です。重要ではありますが、自社に直接的な付加価値をもたらす業務とは言えません。

日本においては、いま少子高齢化を背景にした人材不足が進行しています。一方で、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)といった新たなテクノロジーが登場し、産業構造が変化する中で、企業がどのように付加価値を生み出していくのかを、本気で考えなくてはならなくなっています。時代が変化する中で、今後人事・労務部門の業務はどのように実行していくべきなのでしょうか。

2. 解決策となる人事給与システムやBPOサービスの活用

定型業務をできる限り効率化し、自動化したいというのが企業の本音でしょう。実際に解決策として活用されているのが、人事給与システムといった業務アプリケーションやBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)です。

<労務管理業務のシステム化>

ITをまったく導入していない企業はないかもしれませんが、できる限り幅広く活用することで、省力化、効率化を図り、コスト削減できます。押印を必要としていた紙文書や旅費決裁の承認ワークフローなどが電子化し、スマートフォンを使用したモバイル承認の導入が進むなど、効果的なアプリケーションを組み合わせたシステム化が進んでいます。

代表的なアプリケーションとして、人事給与システムや経費精算システム、勤怠管理システムなどが挙げられます。SCSKでは、ERPパッケージ「ProActive」の「人事給与」「経費」「勤怠管理」「会計」を、導入も利用もしやすいクラウドサービスとして提供しています。

<BPOサービスの活用>

自社でシステム化するのではなく、給与計算などの人事に関連する業務を外部の事業者に委託するBPOサービスを利用するのも一つの方法です。給与計算、経費精算、勤怠管理などの対象業務を切り出して外部に委託します。こうした業務は、どんな業種・規模の企業でも概ね共通しているため、委託しやすいという側面があります。BPOサービスを利用することで、人件費を中心に業務コストを削減したり、より付加価値の高い業務に人材をシフトしたりすることができます。

BPOサービスによるコスト削減

図:BPOサービスによるコスト削減

比較的大きな企業では、「人事センター」や「シェアドサービスセンター」を社内組織として立ち上げるケースがあります。グループ会社を横断した共通の労務管理業務を一括して引き受け、各グループ会社がそれぞれ持っていた労務管理業務を集約します。これにより、各会社は労務管理システムを持つ必要がなくなります。グループ会社内ではありますが、アウトソーシングの一種です。この場合は内部の人事センターでグループ会社内の効率化を図りますが、この人事センターの機能を別会社にしたり、丸ごと外部の事業者に委託したりすることがあります。

3. 人事・労務部門改革に成功した企業

人口減少により就労人口が減少する中、企業では間接部門のリソースをコア業務に集中させる動きを強めています。BPOサービスの対象範囲も徐々に広がっており、大企業から始まったこの流れは中小企業へと広まりつつあります。ITの進化により、アウトソーシングにおける個人情報の保護を含めたデータの安全性が担保され、以前より低コストかつ確実に実施できるようになっています。

人材不足が深刻化し、デジタル化への柔軟な対応が求められている昨今では、コア業務における人材活用の重要性がますます高まっています。優秀な人材を確保し、できる限りコア業務に投入し、さらに育成して企業の競争優位性の確保につなげていくためには、人事・労務部門が自ら変革し、付加価値を生み出す体制の構築が不可欠です。

具体的に、人事・労務部門の改革に成功した企業の取り組みを紹介します。

シーバイエス株式会社は、以前は勤怠管理、給与・社会保険、退職金の業務ごとに3 社にアウトソーシングしており、各情報が連携していないなど効率に課題を抱えていました。これを新たなBPOサービスで一つに統合し、社員のデータベースを一つにまとめました。これにより、人事関連情報を一元管理できるようになり、担当者数を半分に減らすことができ、本来力を注ぐべき付加価値を生み出す中核的な業務に集中できるようになりました。

また、中部テレコミュニケーション株式会社は、給与業務でBPOサービスを活用しています。BPOサービスにより業務量を50%削減し、業務コストを14.7%削減できました。これにより担当者の負荷が減り、制度開発など将来の付加価値確保にかかわる業務に時間を割けるようになりました。

ITシステムやBPOサービスを活用することで、自社の人事給与業務を見直し、人事・労務部門が本来業務に注力できる体制づくりを推進することが、今後の自社の発展につながっていくのではないでしょうか。

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