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2019.07.31
経理財務トピックス

経費精算への要求トレンドは?–– 働き方改革から、財務的な一元化への対応まで

経費精算に求められる要件が変わりつつあります。テレワークに対応するためのスマートフォン対応、電子帳簿保存法改正によるスキャナ保存制度、会計処理のスピード化に対応するための財務的な一元化などです。今回は、これからの経費精算システムに求められるトレンドを紹介していきます。

1. スマートフォンでの経費精算で利便性が向上

経費精算の現場が変わったと最も実感できるのが、スマートフォンの活用です。電子帳簿保存法改正によって、2017年1月から、スマートフォンを使った領収書の電子化が可能になりました。これにより、スキャナ保存制度の承認件数が急増しているのです。スマートフォンで撮影した領収書を画像認識ソフトが読み込み、自動でデータベースに書き込む機能なども出てきています。領収書の原本を保管しなくても済むため、保管スペースを確保しなくてもよくなることで、オフィス空間のスリム化や領収書の検索が容易になることも、確実に見込める導入効果と言えます。

ユーザーの立場からも、スマートフォンから交通費、出張費、接待費などの申請が可能なため、外回りの隙間時間や在宅からの申請が可能になります。ProActive for SaaS 経費では、上長の承認もスマートフォンから実施できるなど、オフィスに捉われない働き方を支援しています。

ProActive for Saas 経費の画面

2. アプリケーション間連携の効果

電子化とともに、経費精算の生産性を向上させるのが自動化への取り組みです。経費精算の結果が財務会計の仕訳伝票として自動反映される機能などがその一例です。経費精算時に法人経費も申請できるといった機能を持つソフトウェアもあります。申請された法人経費は、自動的に支払伝票が起票され、会計ソフトの債務管理モジュールにおいて、支払業務の一元管理化に寄与します。

そのほか、経費の規定に基づいて決裁ルートを柔軟に設定する機能により、金額による多段階承認や費目に応じて決裁ルートを設定するなど、経費精算にかかわるワークフローの高度化が可能です。

経費精算は大きく、申請、精算、出納という3つの管理に大きく分かれます。出張、接待会合の事前承認や費目別買い付けルートの設定など、対象となる業務は数多くあります。こうした経費精算機能単体はもちろん、財務、人事、勤怠、経営管理といったERPモジュールなど他のアプリケーションを連携できることにより、経理のみならず、企業としての情報処理のスピード化と品質向上につながると言えるでしょう。

3. 今後も改正が予定される電子帳簿保存法

法規制の改正にも引き続き注目する必要があります。電子帳簿保存法で「電磁的記録による保存」が認められているのは、例えば、仕訳帳、現金出納帳、売上帳、売掛金元帳、仕入帳、買掛金元帳、固定資産台帳、棚卸表、貸借対照表、損益計算書などです。さらに、スマートフォン撮影を含む「スキャン保存」も認められているものとしては、契約書、領収書、預金通帳、小切手、約束手形、見積書、注文書、検収書、申込書が挙げられます。

電子帳簿保存法では今後も改正が予定されています。2018年12月21日に閣議決定した「平成 31 年度税制改正の大綱」によると、「スキャナ保存の承認を受けている者は、その承認以前に作成又は受領をした契約書・領収書等の重要書類(過去に本措置に係る届出書を提出した重要書類と同一の種類のものを除く)について、所轄税務署長等への届出書の提出等の一定の要件の下、スキャナ保存を行うことができることとする」としています。

つまり、過去にさかのぼって、スキャナ保存できるというもので、2019年の9月30日以後に提出する届出書に関わる重要書類について適用するとしています。

4. OCRやRPAを使ったペーパーレス化も

こうしたデジタル化の流れはほかにもあります。従来紙で処理していた書類を、OCR(光学的文字認識)などの技術を用いて電子化した上で、RPAを使って転記するといった使い方が提唱されているのです。

SCSKのクラウドERP「ProActive for SaaS」には、RPAエンジン「CELF RPA for ProActive」がバンドルされています。さらに、「AI-OCR × CELF」の組み合わせで、OCRによる文字認識技術を使って紙の手書き文書をデジタルデータ化します。それをRPAによってProActive for SaaSに自動転記することも可能です。

今後の経費精算業務では、領収書だけでなく、請求書を含めたさまざまなデータの電子化を検討する企業が増えてくるでしょう。ユーザーのかゆいところに手が届く機能を提供するサービスの登場も期待されています。

働き方改革などによって要件が急変しているなか、経費精算の仕組みを新たに考えるときには、今回紹介したようなトレンドを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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