イベントレポート
SCSKビジネスサミット2024
AIとERPが導くビジネスの未来
2025年の崖を越える道

イベントレポート AIとERPが導くビジネスの未来 2025年の崖を越える道

SCSKは、2024年11月19日(火)、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京にて「AIとERPが導くビジネスの未来 2025年の崖を越える道」と題して初の大規模なオフラインイベントを開催いたしました。
このイベントは、SCSKが提供するERPのProActiveが、atWill、Plmacsとの統合により、AIセントリックなデジタルオファリングサービス「PROACTIVE」へと進化したことを受けて開催したものです。有識者やSCSKと協業するプラットフォーマー、ユーザーである事業会社様をプレゼンテーターとしてお招きし、11のセッションプログラムを構成。多くの方にご来場をいただくことができました。ここでは、その概要をお伝えいたします。

KEYNOTE

新時代のデジタルオファリング集団へ
~SCSKとPROACTIVEの進化について~

岩﨑 磨氏(株式会社 LIXIL 常務役員 Digital部門担当)
西原 嘉宏氏(住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社 代表取締役常務 執行役員 経営企画部長)
尾﨑 務(SCSK株式会社 取締役 執行役員 専務 最高情報セキュリティ責任者 ProActive事業管掌役員)
志村 尊(SCSK株式会社 ProActive事業本部 本部長付)


「PROACTIVE」始動

「AIとERPが導くビジネスの未来 2025年の崖を越える道」のメインセッションであるキーノートでは、SCSK株式会社 取締役 執行役員 専務 尾﨑 務が登壇し、新たな取り組みについて説明しました。
本イベントは1,500名を超える事前登録があり、また、AWS、Google Cloud、マイクロソフトという3社が一企業主催のイベントへ同時に協賛を行うことは異例のことだと注目度の高さをアピールするとともに感謝を述べました。

まず、SCSKがこの日発表したのが「デジタルオファリングサービス」です。これは、先進的なAI技術、SCSKが長年にわたり培ってきた業務知見、さらには業界を代表するパートナー企業との連携を通じて、企業が直面する経営・社会課題を包括的に解決するためのサービスであると述べました。
特に、デジタルオファリングサービスの中核を担うのがAIであり、労働人口の減少が進む日本において、AIによる業務効率化や自動化は、企業が新たな価値創出へと踏み出すための強力な後押しとなると強調しました。
さらに、この戦略の中核となる存在として「PROACTIVE」が発表されました。PROACTIVEは経営・業務の課題を解決するサービスと、コアとなる「PROACTIVE AI」を組み合わせることで、業務固有の問題や業界固有の問題を取りこぼすことなく具体的なアプローチを提供すると説明しました。
具体的には、会計・人事・販売・生産などの業務特化型ソリューションに加え、建設業、卸売業、商社業、製造業といった業界特化型のソリューションも備えることで、企業ごとの状況に応じた迅速な課題解決を可能にします。
さらに、「PROACTIVE AI」は、経営分析や業務自動化に関する多面的な機能を提供し、経営者には一歩先行く経営示唆を、現場で働く従業員には効率性と生産性の向上をもたらす仕組みとして位置づけました。SCSKは、このようなテクノロジーの活用により、日本の働き方を変化させ、日本企業全体の競争力強化を目指すと強調しました。

LIXILのシステム改革

続いて、LIXILの岩﨑磨氏が登壇し、同社が直面しているDX推進の課題や戦略について説明しました。
LIXILは国内5社の合併により設立され、その後グローバルな展開をしています。したがって外部環境の変化が業務に与える影響は大きく、特に住宅着工の減少が業績に影響を与えている点を指摘。こうした問題に対処すべく、速やかな経営判断を可能にするためにグローバルにERPの導入が進められていますが、システムには古さが残る部分もあり、メンテナンスが困難な状況もあると言います。

そこで、LIXILはIT投資を継続し、特にデータ活用や業務効率化に注力していることを強調。特に、合併後の複雑な業務プロセスを見直し、“デジタルの民主化”というキーワードのもと、情報を一元化してデータの活用を推進するなど、効率的な運営を実現したいと言います。そのような状況下、業務の自動化やデータ分析を通じた意思決定の迅速化が求められており、AIの活用がその鍵となると強調しました。

AIセントリックERPの進化

SCSKの志村は、「PROACTIVE AI」を活用したデジタルオファリングサービス「PROACTIVE」について、その背景とコンセプトを紹介しました。まず、スマートフォンやクラウドが普及する過程を振り返り、そこに共通して存在する「利便性向上」「コスト効率」「スケーラビリティ」の3要素が、AIの普及過程にも当てはまり、今後、日本のビジネスへ浸透していくと指摘しました。
こうした考え方に基づき、「PROACTIVE」はAIセントリックを掲げ、AI活用による経営・業務支援を実現します。その中核を成す「PROACTIVE AI」ではAIが人間に代わって申請入力や承認プロセスを管理し、ミスを軽減して業務処理を円滑化する取り組みを紹介しました。具体例として、AI-OCRによる領収書の自動読取や、Teamsを活用した入力インターフェースにより、申請処理の時間を大幅に短縮できる点を挙げました。

さらに、経営高度化AIとして「マルチAIエージェント」を搭載し、多角的な分析で経営判断を支援します。BIツールや外部データの組み合わせにより、財務予測、販売戦略、リスクマネジメントを強化が可能であることを説明しました。
また、「PROACTIVE」を支える「ATWILL Platform」は、ローコード/ノーコード開発やマルチモーダル対応を特長とし、迅速なアプリケーション開発を実現します。これらを組み合わせることで、AIを中核とした業務特化型・業界特化型オファリングを実現し、従来のERPの役割を、AIを中心とした新たなサービスが担っていくだろうと締めくくりました。

シェアードサービスの高度化

住友商事フィナンシャルマネジメントの西原氏は、自社のシェアードサービスにおけるシステム化の経緯に触れた後、その利点について話しました。

同社では、経理機能の質向上とガバナンスを重視しており、これを維持するためにSCSKのERPを活用したシェアードサービスを48社のグループ企業に提供し、連結決算に対応していることを説明。西原氏は、経理業務における品質を最重視するとともに、効率化と自動化を進める中でグループとしての標準化が重要であると強調し、今後も引き続きAIとデータ活用を推進していく必要性を語りました。

ゲスト講演

世界の経営学から見る、生成AI・DXへの視座

入山 章栄氏(早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール教授)


世界の経営学の知見をもとに、生成系AI・DXの方向への示唆、データ経営について説明しました。

セッション

業務構築・システム・BPOを一貫した経理DX導入モデル「BPaaS」で経理業務改革を短期で実現

大沼 善次郎氏(グローウィン・パートナーズ株式会社 Accounting Tech 1部 部長)
栗原 直(SCSK株式会社 ProActive事業本部 クライアントエンゲージメント部 部長)


栗原は冒頭で、グローウィン・パートナーズとの協業により経理業務のBPOに関するコンサルティングを提供していることを紹介しました。そして、労働人口の減少に対応するため、システム提供にとどまらず業務最適化を目指したサービスモデルを構築している点についても触れ、大沼氏を紹介しました。

続いて登壇した大沼氏は、経理財務部門や経営企画部門が直面している課題について説明しました。特に、人手不足や決算業務に時間がかかっており、十分な分析ができていないといった現状において、経理部門には正確なオペレーションを実行し続けながら戦略的な組織への転換が求められていると指摘しました。その上で、こうした課題を解決するためのソリューションとして「BPaaS」を提案。「BPaaS(Business Process as a Service)」は、BPOとクラウド型のSaaSを組み合わせたサービスで、属人的な業務を排除し、業務の標準化や効率化を進めるものです。

大沼氏はさらに、労働人口の減少など市場環境が急速に変化する中で、経理財務部、経営企画部が迅速かつ効率的に業務を遂行し、戦略立案に集中できる体制を構築する重要性を強調しました。一方で、現状ではその実現に向けた業務改善や効率化が十分に進んでいない企業が多いとも述べました。「BPaaS」を導入することで、業務の可視化、標準化、属人化の防止が実現でき、導入期間やコストの削減が可能になるなど「BPaaS」の特徴を紹介しました。

SCSKとグローウィン・パートナーズは、それぞれ豊富なシステム導入実績と経理、財務領域のノウハウを活かし、「BPaaS」を活用することで経営管理の高度化を実現し、経営者の期待に応える組織体制を構築できると強調しました。最後に、大沼氏は「BPaaS」は単なる業務効率化のためのツールではなく、経営者の意思決定を支え、組織全体の成長を促す仕組みであると述べ、講演を締めくくりました。

生成AIでERPを進化させる - Google Cloud & Geminiによるデータ分析機能のご紹介

蓮池 拓哉氏(グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 Solution & Technologies データ アナリティクス カスタマー エンジニア)
桜井 聡(SCSK株式会社 ProActive事業本部 プロダクトストラテジー部 プロダクトデザイン課)


本セッションでは、Google Cloudと連携して進化させるERPのデータ分析機能について紹介されました。
蓮池氏は、世の中のAIへの取り組みについて触れ、特に生成AIの活用が進み、業務に組み入れる傾向が強まっていることを強調しました。具体的には、AIエージェントによるカスタマーマネジメントや利益報告の自動化が挙げられ、データ分析の重要性が示されました。

次に、Google Cloudのフラッグシップモデル「Gemini」について説明。Vertex AI上で膨大なデータを処理できる能力を持ち、従来モデルに比べ使用率が36倍に増加していることが紹介されました。日本市場向けのサービスも強化されており、利用者に利便性を提供しています。

また、生成AI活用について言及。SaaS型のエージェントを導入し、業務アプリケーション内にAIを組み込むことで業務効率を向上させている点を話しました。具体的な機能として、Google Docsでの議事録作成やコード生成を助ける機能が挙げられました。

桜井からは、Google Cloud との「PROACTIVE AI」を利用した企業の経営改善の取り組みについて紹介。企業データを元にした分析プロセスの重要性が語られました。社内のデータ(財務/非財務データ)と外部データとの統合によってAIを活用した経営の高度化を目指していると述べました。

今後の展望としては、外部データのさらなる活用、予測分析の付与、ERP機能の実行、過去のチャット内容の反映によるフィードバックプロセスの強化が挙げられ、AIを通じたデータ活用の文化を築くことを目指しています。
最後に、SCSKはGoogle Cloudの技術面、体制面の支援を受けながら、お客様のビジネスの成功に繋げる取り組みをアピールし、セッションを締め括りました。

ProActiveを活用したオファリングサービス~企業の経営課題解決に向けた次世代ソリューション~

土井 明子(SCSK株式会社 ProActive事業本部 ビジネスコンサルティング部 副部長)
永島 詩子(SCSK株式会社 ProActive事業本部 ビジネスコンサルティング部)


本セッションでは、SCSKの土井と永島より、SCSKが提供する「オファリングサービス」とは何か、その詳細や方向性についてプレゼンテーションを行いました。

まずは流通卸売業界を例に、ECの台頭による売上構成比の減少や粗利率の低迷といった現状を解説。
その上で、人材不足や採用難、IT化の遅れといった経営課題に対して、SCSKでは、情報の可視化や最適化、AIを活用した業務効率化によるアプローチを提案しています。

また、「オファリングサービス」とは、単なる機能提供にとどまらず、経営課題の解決を目指した上記のような包括的ソリューションを意味すると説明。オファリングサービスに内包されるソリューションの具体例として、ダッシュボードやAIを活用した可視化を紹介し、経営陣が必要な情報を迅速に取得できるようサポートしている点を強調しました。

最後に、「PROACTIVE」は、業務特化型オファリングや業界特化型オファリングを通じてクライアントのビジネスプロセス全体をモダナイゼーションし、AIを活用して経営課題を解決していくとアピールしました。

ものづくり変革の次なるステージへ!徹底解説『スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン』

神山 洋輔氏(株式会社日本能率協会コンサルティング デジタルイノベーション事業本部 DXコンサルティング推進室長 シニア・コンサルタント)
長島 志穂(SCSK株式会社 ProActive事業本部 atWillコンサルティング部 atWillコンサルティング第二課)


本セッションでは、日本能率協会コンサルティングの神山氏が、「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」について詳しく解説しました。このガイドラインは、製造業のデジタル化(DX)を支援するために国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構および経済産業省の要請で作成されたもので、製造業全体の最適化と競争力向上を目指すための指針を提供しています。

神山氏は、ガイドラインが製造業の変革プロセスを適切に設計・実施するための手引きであると説明しました。特に、製造プロセス全体を俯瞰しながら最適化を図る重要性を強調。ガイドラインは、企業ごとに異なる目標に対応するため、独自の変革シナリオを作成するプロセスを重視しており、多様な環境変化や課題に柔軟に対応できるよう設計されていると話しました。

さらに、ガイドラインには57の変革課題が示されており、各企業が解決したい課題を選び、その達成に向けた目標レベルを設定する方法が解説されています。必要に応じてITソリューションを導入し、情報システムを整備する手順についても具体的に説明。神山氏は、このガイドラインが製造業だけでなく、関連するIT企業にとっても有用であり、自社の強みを活かしたDX推進が可能になると述べました。

続いて、SCSKの長島が登壇し、製造業向けのオファリングサービスについて簡単に紹介しました。長島は、PROACTIVEが製造業のDXを強力に支援することを説明し、製造業全体の成長に寄与する姿勢をアピールしました。

経理業務の変革期をチャンスに ~企業が直面する経理組織の課題と、求められるデジタルシフトへの取り組み~

松木 剛氏(株式会社カクヤスグループ グループ財務経理部 執行役員 兼 グループ財務経理部長)
面来 道彦(SCSK株式会社 ProActive事業本部 ビジネスコンサルティング部 コンサルティング第二課 課長 / ProActive事業本部 ソリューションコンサルティング部 ソリューションコンサルティング課)


本セッションに先立ち、SCSKの面来から株式会社カクヤスグループ 松木氏が紹介されました。

カクヤスグループの松木氏が登壇し、新会計システム構築プロジェクトについて講演しました。同社は2024年12月の新システム本番稼働を目指し、経理部門のDX化を推進しています。

松木氏は、カクヤスグループが酒類販売を中心に250以上の店舗を展開し、自社物流網を活用した飲食店向けと家庭向けのハイブリッドモデルで事業を展開していることを紹介しました。また、創業100年以上の歴史を持ち、東証スタンダードに上場している同社の経営背景についても触れました。

続けて、販売、物流分野はシステム化が進んでいますが、財務、経理分野は依然として手作業や紙書類に依存している現状だと指摘し、デジタル化の遅れが課題となっていることを述べました。現在、経理部門を取り巻く環境は急速に変化しており、デジタル化や自動化、ビジネス洞察力の強化、グローバル化といった新たな要求が高まっています。これに対応するためには、業務プロセスの見直し、最新技術の導入、そして人材育成が必要不可欠だと説明しました。

松木氏は、これまで同社が抱えていた課題として、システム間の非連動や保守期限切れ、手作業によるデータ処理の属人化などを挙げました。新しいシステムの導入により、これらの課題を解決し、業務効率化を目指しているとのことです。また、AIやRPAなどの最新技術を活用し、経理業務のさらなる効率化にも取り組む方針を示しました。

最後に、SCSKをパートナーとして選定した理由について述べ、システム構築後も継続的な関係を築く重要性を強調しました。松木氏は、経理業務の変革を通じて、業務負荷の軽減と組織全体の成長を実現したいと締めくくりました。

生成AIとERPの連携で切り拓く可能性 ~ProActive x Microsoft Copilot Studio~

曽我 拓司氏(日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部 パートナー技術統括本部 クラウドソリューションアーキテクト)
桑田 真吾(SCSK株式会社 ProActive事業本部 プロダクトストラテジー部 プロダクトデザイン課 課長)


本セッションでは、日本マイクロソフトの曽我氏が、生成AIの可能性と具体的な活用事例について解説しました。特に、オフィス製品に導入されたAI機能「Copilot」に焦点を当て、ExcelやPowerPointを活用した実務効率化の事例が紹介されました。曽我氏は、Copilotがユーザーの意図に応じた成果物作成をサポートし、AIが提案した選択肢を基に作業を進められるという点を、具体例を挙げて説明しました。

続けて、SCSKと日本マイクロソフトでは、PROACTIVE×Copilotの連携について進めているという点について触れ、SCSKの桑田から実際の画面イメージを用いてデモを行いました。Copilot が自然言語のやり取りによって出張精算業務を補助し、データベースへの登録処理まで完了する流れを紹介しました。

また、曽我氏は、自律的なAIエージェント機能が新たに導入されることで、AIが自ら考え、行動する未来像を提案しました。このエージェントは特定の業務知識とアクションを持ち、必要に応じて自律的に業務を進める能力を持っています。さらに、マルチモーダル機能の導入により、AIが視覚や音声を活用して効率的にユーザーとコミュニケーションを取る可能性も示されました。 今後の方向性として、生成AIを活用することで、業務効率化に加え、顧客満足度や収益性の向上を実現する可能性が期待されています。生成AIの導入は、業務の進化を推進する重要な要素であると述べました。

最後に、SCSKの桑田が登壇し、「PROACTIVE」とCopilotの連携による利便性について説明し、セッションを締めくくりました。

建設業の未来を築く ~建設業の課題に立ち向かうDX戦略とFit to Standard~

永井 智一(SCSK株式会社 ProActive事業本部 DevOps部 副部長)
關 恭平(SCSK株式会社 ProActive事業本部 atWillコンサルティング部 PImacsコンサルティング課)


本セッションでは、SCSKの永井と關が、建設業界のDX戦略について講演しました。

まず、建設業界が直面している課題として「人材不足」「建設費の高騰」「業務の効率化の遅れ」に焦点を当てて解説しました。労働人口の減少に伴い、技能職が大幅に減少し、若年層の定着が難しくなっている現状は、業界にとって深刻な問題といえます。また、長時間労働が業界に根強く残っており、そのことが建設業界のイメージを悪化させている点にも触れました。
業務の効率化については、会社固有の業務プロセスへの依存や、DXの進展が遅れていることが障壁となっていると指摘しました。さらに、資材費や人件費の高騰により、効率的な予算管理とコスト管理の重要性が増しています。

こうした課題に対処するため、永井氏と關氏は「Fit to Standard」というアプローチを提案しました。この考え方は、業務を既存のパッケージシステムに適合させることで、無駄を削減し、業務効率化を図ることを目指すものです。SCSKが提供する「PROACTIVE Construction」を活用することで、個社ごとに、強みとなる業務には独自性を保ちながら、それ以外の業務を標準化することが可能であると説明しました。この方法により、建設業界は迅速に業務の見直しを行い、コスト削減と業務改善を推進できるとしました。

将来的には、蓄積したデータをAI分析に活用することで、次世代の経営を支える新たな効率化が期待できるとしています。このような取り組みにより、建設業界が持続的に成長し、抱える課題を克服していく道筋が見えてきていると締めくくりました。

HRを取り巻く環境と人事業務の今後 ~変化の起点がチャンス~

河合 幹彦氏(株式会社パソナグループ 常務執行役員 HR本部 副本部長兼 株式会社パソナHRソリューション 副社長執行役員)
山村 友香(SCSK株式会社 ProActive事業本部 カスタマーサクセス部 カスタマーサービス第四課 / ProActive事業本部 カスタマーサクセス部 カスタマーサクセス課)


本セッションでは、最初にSCSKの山村が株式会社パソナグループの企業情報やProActive導入プロジェクトについて紹介し、パソナグループの河合氏から、HRを取り巻く環境の変化と人事業務の今後についての講演が行われました。

河合氏は、人事部門が直面する課題として、労働条件の明示、人的資本経営、法改正への対応を挙げました。これらの新しい要求に対し、同社がどのように向き合い、解決を図っているかについて具体的に説明しました。特に、人事やBPOの推進において、制度やシステム改修の必要性を実感していると述べました。

続けて、日本のHR環境における課題として、ダイバーシティ対応や少子高齢化、労働力不足が挙げられました。これらを克服するためには、リスキリングや柔軟な配置転換が不可欠だと指摘しました。また、法改正への対応については、単に規則を守るだけでなく、その影響を深く考慮することが求められます。具体例として、新しい労働条件の明示に伴う無期雇用への転換の問題について説明がありました。

同社のアプローチは、HR制度、システム、業務プロセスを同時に改善することに重点を置いています。人事制度の複雑化やシステムの老朽化、業務の属人化が進む中で、これらの改善が必要であると述べ、変化に強い制度とシステムを目指していると語りました。

さらに、システムの連携の重要性についても言及しました。「PROACTIVE」の導入により、各種業務や管理を一元化し、業務の効率化やデータ管理が可能になっていることが紹介されました。

最後に、同社が提供するBPOサービスを通じて、クライアントと共にさらなる業務改善を目指していく方針を述べ、セッションを締めくくりました。

事業拡大と業務・システムの最適化へのチャレンジ

山本 剛氏(株式会社ハーモニック 情報システム部 部長)
小田原 泰(SCSK株式会社ProActive事業本部 ビジネスコンサルティング部 副部長)


最初に、ハーモニックの山本氏をSCSKの小田原から紹介し、同社で進行中の大規模な業務改革プロジェクトについてのセッションが行われました。

山本氏は、同社がカタログギフト事業を中心に業界で地位を確立していることを説明しました。また、最近では法人や自治体との取引を増やし、ギフト事業の多様化にも取り組んでいると述べました。その一方で、過去のシステムが引き起こしていた業務の属人化や複雑化といった課題についても触れ、それらの解決に向けた取り組みを進めていると指摘しました。

業務改革プロジェクトでは、基幹システムの刷新を目的とし、業務の見直しや非効率の改善に取り組んでいます。具体的には、受注業務や在庫管理の改革、コンタクトセンターのサービス向上を目指し、外部コンサルタントの力を借りた多角的なアプローチが実施されています。また、業務の標準化を進める中で、基幹システムに「PROACTIVE」を採用し、効率性の向上を図っていると説明しました。

現在、進行中のプロジェクトでは、社内報を活用した情報共有や対面コミュニケーションの重要性を強調し、従業員間での連携が強化されていると説明。また、経営陣の後押しを受けながらプロジェクトの意義を再確認し、従業員の成長を促進していているとのこと。これらの取り組みを通じて、業務改善やシステム効率化が進み、企業全体の成長につながることを期待していると締めくくりました。

国内生成AI事例に見るビジネスインパクト創出の方程式と、ProActiveと連携したデータ活用戦略

田中 創一郎氏(アマゾン ウェブ サービスジャパン合同会社 シニアソリューションアーキテクト)
御守 貴光(SCSK株式会社 ProActive事業本部 クライアントエンゲージメント部 クライアントエンゲージメント第一課)


本セッションでは、AWSとSCSKが共同で、生成AIの活用事例とそのビジネスインパクトについて解説しました。

前半では、AWSの田中氏が登壇し、生成AIがもたらす新しい体験や生産性向上について、四つの視点から説明しました。特に、アプリケーションの基盤となるデータの重要性を強調し、データがAIの差別化要素であることを指摘しました。また、企業が保有するデータをどのように効果的に活用するかについて具体的な手法を紹介しました。

さらに、生成AIの成功事例がさまざまな業界で拡大していることについて説明しました。特に、データ読み取りや対応スキルの底上げ、営業支援などのユースケースが多くの企業で実用化されている点が挙げられました。成功を収めた企業の共通点として、効果を定量的に測定する姿勢や、小規模なチームで頻繁な実験を行うことだと説明されました。

後半では、SCSKの御守が登壇し、「PROACTIVE AI」を活用した業務効率化・自動化や経営高度化のアプローチについて解説しました。AIを意識せずに活用できる基盤の構築を目指し、データ分析の迅速な実現を可能にする「PROACTIVE」とAWSの連携の強みを強調しました。具体的には、データの可視化やダッシュボード機能を通じて迅速に業務改善が図れることを紹介しました。

最後に、AWSとSCSKが戦略的な協業契約を結び、クラウドネイティブモダナイゼーションなどの分野で共同して取り組んでいる点が述べられ、セッションは締めくくられました。

ProAcitve×自律駆動型 AIエージェントによるデータ利活用の新時代!
~データ利活用 課題解決AIソリューション「PROACTIVE AI」のご紹介~

大塚 高廣(SCSK株式会社 技術戦略本部 デジタル推進部 開発第一課 課長)
Splichal Jin(SCSK株式会社 技術戦略本部 デジタル推進部 開発第一課)
小室 和輝(SCSK株式会社 ProActive事業本部 プロダクトストラテジー部 プロダクトデザイン課)


本セッションでは、SCSKの3名よりデジタルオファリングサービス「PROACTIVE」の中核を成す自律駆動型AIエージェント「PROACTIVE AI」について紹介しました。

まず、AI技術の急速な進歩について触れ、1950年代に登場したルールベースのAIは、現在では人間のように考え、行動するマルチエージェントAIとして進化していると解説しました。一方で、データ利活用に伴う人材不足が深刻化しており、2030年には79万人のIT人材が不足するとの予測もあると指摘。「PROACTIVE AI」は、このような課題を解決する手段であるとしています。

「PROACTIVE AI」は、コンサルエージェント、分析エージェント、レポーティングエージェントの3つのAIが連携し、ユーザーに質の高い意思決定をサポートする仕組みを提供しています。膨大なデータを駆使して意思決定を支援し、簡単な対話を通じてデータ分析やレポート生成を迅速に行うことができます。また、外部データの活用によって、さらに精緻な分析を実現することも可能です。これらの仕組みによって、ユーザーは専門性の高い知見を活用した意思決定が可能になり、さらに、意思決定の質やスピード向上、データドリブン経営の推進、業務プロセスの改善が期待できると強調しました。

2025年のリリースを目指して、今後はさらなる機能の追加や多様な業界への展開を進めていく予定です。「PROACTIVE AI」は、今後のビジネス環境において重要な役割を果たすことが期待されていると述べ、プレゼンテーションを締めくくりました。

クロージングトーク

イベントのハイライトと未来への展望

中田 英寿氏(元サッカー日本代表 株式会社JAPAN CRAFTSAKE COMPANY 代表取締役)
菊地 真之(SCSK株式会社 執行役員 ProActive事業本部長)


本イベントの最後に、スペシャルゲストの中田英寿氏をお迎えして振り返りを行いました。

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