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コラム

2019.11.01 ♦法制度♦

電子帳簿保存法改正による経費書類のスキャナ保存。賢い運用方法について解説

2016年、2018年の電子帳簿保存法改正により、領収書などの経費書類のスキャナ保存がかなり運用しやすくなりました。スマートフォンなどのカメラ機能を使ってもよくなり、原本の保存も不要となったため、紙ベースの書類保管のコストも軽減できます。そこで今回は、経費書類のスキャナ保存の基本と、賢い運用方法について解説していきます。

関心は高いものの、業務で活用しているのは3割弱程度

電子帳簿保存法は、紙の原本による保存が義務付けられていた契約書、領収書などの国税関係書類について、電子データ化することを認めた法律です。しかし、最近までデータ化に利用できるスキャナは原稿台と一体になっているものに限られ、デジタルカメラやハンドスキャナは認められていませんでした。また原本の保管は相変わらず7年間義務付けられ、データ化できる書類の金額も3万円とされてきました。

ところが、その後の改正で、現在ではデジタルカメラやハンドスキャナをはじめ、スマートフォンで撮影したものでも許されるようになっています。また原本の保管も不要となり、上限金額も撤廃されました。さらに以前はデータの内容もカラーのみが認められ、データの大きさを明示することが必須でしたが、現在では、グレースケールのものでもよく、データの大きさもA4サイズよりも小さいものであれば、明示する必要はなくなりました。そのほか、以前はデータに電子署名とタイムスタンプを付与することが必須とされていましたが、現在ではタイムスタンプの付与のみで許されるようになっています。

こうした改正の結果、企業でも経費関係書類の電子データ化に取り組むケースが増えてきています。

SCSKでは、2019年8月、国内企業の経理担当者300名を対象に「経費精算業務」に関するアンケート調査を実施しました。回答者は、従業員100名~500名未満の100名、500名~1,000名未満の100名、1,000名以上の100名の合計300名です。

この調査で、「電子帳簿保存法のスキャナ保存の対応(システム化)に興味はありますか」という質問をしたところ、100名~500名未満の企業は、53.0%が「はい」と回答。また500名~1000名未満の企業は57.0%、1000名以上の企業は、65.0%という結果となりました(図1)。


図1:電子帳簿保存法のスキャナ保存の対応(システム化)に興味はありますか

また、「経費精算のための領収書管理はどうしていますか」という問いに対しては、「スキャナで読み取り保管」と回答したのは100名~500名未満の企業で9.0%、500名~1000名未満の企業では21.0%、1,000名以上の企業では28.0%となっています(図2)。


図2:経費精算のための領収書管理はどうしていますか(複数回答可)

これらの結果から、経費書類のスキャナ保存は企業規模を問わず関心が高いものの、実際に業務で活用しているのは大手企業でも3割弱程度だということがわかりました。

「保管スペースの縮小化」だけではメリットは見えてこない

スキャナ保存のメリットは、何と言っても紙の原本を保管するスペースが不要か、もしくは大幅に縮小できることでしょう。7年間の原本保存が不要になったことで、このメリットはぐっと現実化しました。また、各担当者に領収書などをスキャンか撮影してもらい、そのデータを受け取ることで総務・経理担当者が紙で提出された書類をまとめてスキャンする必要もなくなります。ただし、スキャンしたデータにはタイムスタンプを付与する必要がありますので、経理システムなどにその機能を持たせる必要があるでしょう。

一方、原本の保管スペースの縮小化だけではそれほどメリットは感じないという総務・経理担当者もいるでしょう。また「領収書はスキャンデータしか受けとらない」というルールでも策定しないかぎり、データで送ってくる部署と従来どおり紙のまま提出してくる部署が混在し、結局、総務・経理担当者が紙をスキャンする作業は残り、そうであればあまり意味がないと判断する可能性もあります。

そのように考えると、経費精算のワークフロー全体をデジタル化し、そのなかで経費書類のデータ化のメリットを生かしていくことが、最終的にはもっとも効率よく効果を生み出す方法といえるでしょう。

たとえば、経費精算は各従業員が領収書をスマートフォンなどで撮影し、スマートフォンアプリのフォームに必要事項を入力すると伝票が自動的に作成され、タイムスタンプも付与したスキャンデータとともに上長にメールで送られるといった仕組みがあれば、紙の領収書は各自で保管ということで、経理側もスキャンする作業はなくなり、社内ユーザーも積極的にその仕組みを活用するようになります。

場所や時間にとらわれない精算業務で、従業員の生産性を向上させる

こうしたデジタルワークフローの仕組みを見てみると、スキャナ保存のもう1つのメリットは「紙の書類をデジタル化することで、従業員が場所や時間にとらわれず精算業務ができる」ということになります。これにより、その都度会社に戻って精算業務だけのために残業をするということもなくなるでしょうし、精算業務を後回しにしてしまい、領収書の紛失、承認遅れが発生するリスクも減るはずです。

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