導入事例 ほけんの窓口グループ株式会社
会計・販売・購買システムをProActiveで統合し刷新
保険代理店の会計関連業務の標準化と効率化を実現
- 事業内容
- 保険代理店、保険ショップ「ほけんの窓口」の運営、パートナー店・銀行提携店の運営サポート
- 業種
- 保険
- 導入製品/サービス
- ProActive E² 財務会計/管理会計/債権管理/債務管理/販売管理/購買在庫管理
外交員に「勧められる」ものだった保険商品を、来店型店舗を通して、保険会社を問わず「自分で選ぶ」ものに変えてきたほけんの窓口グループ。リーディングカンパニーへと成長する過程では、スピードを重視するあまり個別最適でシステムが構築されたことで業務が複雑化し、特に会計関連業務で業務効率の低下や属人化の問題が生じていました。これらを解消するために同社では、ERPパッケージ「ProActive」やワークフロー製品を中心とするシステムに刷新し、運用されています。今回は、新システム検討の背景から導入効果までを、経理部 担当部長 兼 経理課長 及川氏にお話を伺いました。
- 販売管理や購買管理のシステムが会計システムと異なることによる、マスターデータ管理の煩雑化や二重入力の発生
- 管理会計の予実管理におけるExcelベースの手作業集計
- パッケージ標準機能で業務標準化とマスター統一を実現。マスターデータの自動連携により、管理工数やミスの削減
- 約8営業日程度かかっていた管理会計の予実集計作業が、1営業日程度で完了
事業内容について教えてください
当社は、来店型保険ショップ「ほけんの窓口」の運営を中心に事業を展開しています。当社のサービスとしては、お客さまにご意向を確認した上で、情報を提供し、それぞれのライフプランに沿って保険商品を比較・検討できるようにサポートしています。40以上の保険会社と提携する「乗合代理店」、お客さまの意思でご来店できる「来店型」、そして勧誘ではなく「相談会」というスタイルが特徴です。「自分に合った保険を自分で選ぶ」という新しい価値観が受け入れられ、ほけんの窓口グループの事業は堅調に推移しています。全国に800店舗以上を展開するリーディングカンパニーへと成長し、契約者数は145万名以上、保有契約件数は300万件を超えました。
事業拡大に伴って会計関連業務が複雑化
業務標準化とマスター管理が課題に
導入時の背景を教えてください
当社は会計関連の業務やシステムに多くの課題を抱えていました。会計システムは導入から7年ほど経過しており、その間に店舗数、従業員数、売上規模がいずれも約3倍に増加しました。スピードを重視するあまり全体最適の意識が希薄なままシステム改修を繰り返し、その結果、部門によって業務がバラバラな状態となっていました。
会計の業務フローには統制上の問題もありました。稟議書は紙で回付していたため進捗状況の把握が困難であるほか、請求書を処理する際にそれが適切なプロセスを経たものであるかを確認できる仕組みが備わっていませんでした。
また、パートナー企業との間で発生する売上の管理に販売管理システムを、店舗の賃借料の支払いに購買管理システムを用いており、これらは会計システムとは異なるパッケージであったため、マスターデータ管理の煩雑さや二重入力の発生が問題となっていました。管理の煩雑さからマスターメンテナンス業務については属人化してしまい、担当者は部署を異動してもマスターのメンテナンス業務だけは継続せざるを得ない点についても問題となっていました。
そのほか、店舗運営では賃貸借契約などの管理が一元化できていないことによる支払い漏れや過払いのリスクがあり、管理会計面ではExcelベースで手作業にて集計していた予実集計作業に膨大な時間がかかるなど、課題が山積みでした。
全体最適に必要な要件を満たす
ProActiveを選定
ProActiveを選定いただいた理由を教えてください
様々な課題を解消するために、業務の標準化とマスターデータの統合という観点から、ERPのProActiveを導入しました。標準機能では当社の要件を満たせず、カスタマイズを含めた提案をする企業が多い中、ProActiveは、パッケージ標準機能で当社が目指す業務の標準化とマスター統一を実現できる数少ない製品でした。ProActiveだけで対応できない課題に対しても、的確に応えるソリューションをSCSKは持っており、それらを包括的に提案し1社で構築と運用までカバーできる点が魅力でした。
最終的には、会計・販売・購買業務についてはProActiveで対応し、店舗の賃貸借契約管理の「Negozio」と、ワークフローシステムの「AgileWorks」を連携させるシステムを、SCSKの運用付きマネージド型クラウドサービス「USiZE」上に構築することが決まりました。
システム導入はどのように進められましたか?
2019年夏にAgileWorksの導入から始め、並行して半年間かけてProActive導入の準備を進めました。できる限りカスタマイズを行わず、業務をProActiveに合わせて標準化する方針のもと、この間に行った業務整理とギャップの洗い出しや各部門との対話は重要でした。
2020年1月からProActiveの導入が始まり、2021年7月には稼働を開始しました。コロナ禍での導入はWEB会議中心で進められ、対面での実施と遜色なくコミュニケーションをとることができ、大きく遅延することなく構築を完了できました。スムーズに導入でき、保守運用が始まってからも、SCSKには質問に対しタイムリーに回答を頂けています。
業務標準化の恩恵を実感
会計関連業務のさらなる効率化を目指す
導入後の状況はいかがでしょうか?
特に効果を実感しているのが業務標準化です。当社は部署異動が多いのですが、どこの部署に異動しても同じやり方が通用するようになりました。インボイス制度に関しても、ProActiveは標準で対応しているため大きな問題は生じない見通しです。これは帳票類の見た目など最低限の範囲にカスタマイズをとどめたからこその恩恵だと思っています。
また、マスターデータはシステム間で自動連携されるようになり、管理工数削減はもちろんのこと、人が介在することによるミスもなくなりました。担当者は煩雑なマスターメンテナンス業務から解放されました。
時間がかかっていた管理会計の予実の集計も、ProActiveで必要な項目を必要な単位で入手できるようになり、これまでは約8営業日程度かかっていた作業が、今では1営業日程度で完了しています。このほか、ProActiveとNegozioとの連携によって賃借料などの支払いのミス解消や管理負荷の軽減、AgileWorksによる社内規則に則った、適切な回付による購買フローの事前稟議の管理も実現しています。
販売管理システムでは当社パートナー企業を通じて発生するロイヤリティなどの売上情報を管理し、購買管理システムでは一般購買業務などで活用しています。そして、発生した売上や購買情報は会計システムと連携し自動仕訳されるようになっており、タイムリーに損益管理を行えるようになりました。
ProActive を活用した今後の展望を教えてください
管理会計のより高度な分析や、経理業務のさらなる効率化に取り組む予定です。電子帳簿保存法の電子取引に必要な対応はProActiveを活用した対応で完了していますが、紙の請求書についても電子化を進め、RPAなどを活用した業務効率化を推進していきたいと考えています。