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2022.02.28
人事労務トピックス

企業のDXを成功させるカギは「人事DX」
HRテックとERP活用のステップとは
~デジタルの力を十分に活用するには、人事システムによる情報の一元化から~

多くの企業がDXの取り組みを進めていますが、残念ながらツールの導入にとどまっている状況も散見されます。これは「人事DX」についても同様です。そこで今回は、昨今話題に上っている「HRテック」とともに改めて人事DXについて整理したうえで、業務効率化だけでない真のDX実現について考える機会にしていただければと思います。

1. 全社DXの原動力となる人事DX

経済産業省「DX推進ガイドライン」では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。これを見ると、DXとは単にデジタル技術の活用による業務の効率化ではなく、その先にある変革を目指す取り組みを指すものだと分かります。

では、人事領域におけるDXとは何でしょうか。人事DXについて明確な定義はありませんが、人材や組織のあり方がDXの成否を左右している実態を鑑みると、「人事業務でデータやデジタル技術を活用することにより、業務効率化のみならず、人と組織、さらには風土までも変革して企業活動における可能性を引き出し、さまざまな事業領域のDXを推進すること」と言えるのではでしょうか。つまり人事部門は、DXの推進役を担うことが期待されているのです。

ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化する昨今では、人事DXの取り組みは急務となっています。企業間競争が厳しい中で自社を成長させるために、人事部門が経営戦略に積極的に参画することで、従業員がよりスキルや強みを発揮できる環境を用意し、新たな従業員採用を検討・計画する「戦略人事」を実現しなければなりません。また、資本家や従業員、求職者など内外のステークホルダーからの要求が高まりつつあるISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン)への対応や、そのための管理体制づくりが必須となっています。さらには今後深刻になっていく労働人口の減少、リモートワークとオフィス勤務の最適なバランスの実現、法令改正への対応といった、企業が存続をかけて取り組んでいかなければならないテーマとも密接に関係しています。そのため、人事DXの推進が必要とされるのです。

2. 人事DXの実現に欠かせないHRテックの種類とサービス

HRテックとは、テクノロジーを活用して人事業務を効率化したり、新たな業務を可能にしたりするソリューションを指し、人事DXを叶えるための具体的な手段とも言えます。SaaSとして提供することで初期費用を抑えられ導入しやすくなったこと、モバイルデバイスの普及やUI/UXの進化で多くのユーザーにとって利用しやすくなったこと、AIによって大量かつ高度な処理が可能になったことなどを背景に、発展が目覚ましい領域です。そのHRテックには、具体的に以下のような領域とサービスがあります。

労務管理/勤怠管理

クラウド人事労務ソフトでは、入社時や年末調整などの手続きをデジタル化・ペーパーレス化したり、労務手続きの一括対応や人事情報を管理・活用したりすることが可能です。代表的なサービスが「SmartHR」です。ほかに、社会保険・労働保険の電子申請に対応するシステムとして「e-asy電子申請.com」があります。

タレントマネジメント/アナリティクス

人材データベースによる従業員のスキル情報の一元管理、人事評価データ・組織図の活用が可能です。これをクラウドで提供するサービスに「HRBrain」があります。

採用管理

採用業務を支援するサービスには、「harutaka」があります。同製品では面接官をサポートするAI、Web面接サービス技術の搭載で採用工程をデジタル化し、高効率・高品質の採用を実現しています。

アウトソーシング/BPO

その他、人事業務の負担を軽減する選択肢には、アウトソーシングの活用があります。例えばパソナHRソリューションでは「人事給与BPOサービス」を展開しており、給与計算や年末調整などの業務を任せることができます。

3. 人事DXを成功させるポイントと進め方

人事DXの推進にあたってはHRテックを導入するのみで取り組みが停滞し、その先にあるデータ活用や本質的なDXには至っていない企業も少なくありません。
人事DXを成功裏に進めるためには、次のようなステップで進めることをおすすめします。目的の明確化から着手し、ツールの導入をゴールにしてしまわないことが大切です。

  • 1. 目的や目標を明確化し、共有する
  • 2. 人事に関する業務の棚卸を実施し、本来あるべき姿との差異を明確にする
  • 3. データおよびサービス連携について、目指す全体像を明らかにする
  • 4. 人事DX実現のための基盤づくりを行う
  • 5. 導入工数が少ない領域、または利用者満足度につながりやすい領域からHRテックの導入などに着手する

このうち4.では、具体的には人事システムによる情報の一元化が重要です。人事システムは、従業員の基本的な情報だけではなく、評価、異動、教育といった人事業務にまつわるデータベースも有しています。人事情報から給与計算まで人事業務全体をカバーするERP(統合業務システム)や、人事労務や給与計算などの各業務に特化したシステムなども数多く登場しており、ニーズや会社規模に応じて選ぶ必要があります。いずれのサービスを選ぶにせよ、戦略人事など人事DXに取り組むには、散在している、もしくはデータ化されていない従業員の情報を集約した「見える化」から始めることが重要になります。

続く5.では、労務・勤怠領域から着手するのが適切でしょう。当然ながら3.で描いた全体像の実現を念頭に、4.で構築したデータベースとシームレスに連携できる機能を持つことが前提となります。仮に、先述したERPが基盤の役割を果たす場合においても、目的やニーズに応じて別途HRテックと連携させて利用することは珍しくありません。

図:人事DXのポイントと進め方

4. 情報の一元化を実現する人事システム
超寿命クラウドERP「ProActive C4」について

人事業務や人事DXの屋台骨となる基盤は、どのような観点で選ぶべきでしょうか。まずは「実績や信頼性」を重視しましょう。人事情報には機密情報が多分に含まれるため気をつけたい観点です。次に、各種HRテックや他の基幹システムとの「サービス連携や発展性」も必須で、そのためにはクラウドとの親和性が高いか、そもそもクラウドサービスであることが理想です。そして人事部門だけでなく全従業員がユーザーとなるため、「使い勝手に優れたUI/UX」も欠かせません。

SCSKのProActive C4は、バージョンアップなどのシステムライフサイクルまで一括して対応するクラウドERPであり、「日々の使いやすさにこだわったUI/UX」「お客さま自身が作業負荷を軽減しながら、効率よく導入作業を進められるスマート導入」「オンデマンドでユーザーの疑問や課題に迅速に対応するスマート保守」が特長です。実績に関してもシリーズ累計6,300社、280の企業グループを超える導入実績を誇ります。

人事・給与・経費・勤怠管理といった人事DXに必要な機能と、各種HRテックやBPOサービスとのアライアンスや連携実績を有しています。各企業の戦略に合わせて自在に拡張できる基盤として、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。

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