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コラム

2021.03.08 ♦トピックス♦

「DXレポート2」が指摘するDXを加速させるアクションとは?

経済産業省から「DXレポート2 中間とりまとめ」※1(以下、DXレポート2)が2020年12月末に公表されました。これは、2018年の「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」※2(以下、DXレポート1)の第2弾とも言えるものです。今回のコラムでは、DXレポート2がDXの実態をどのように捉え、企業がDXを推進する上でどのようなアクションが必要なのかについて紹介します。

1.コロナ禍があぶりだしたDXの本質

最初に「2025年の崖」という言葉を広く人々に知らしめたDXレポート1の内容について、簡単に振り返っておきましょう。DXレポート1では、日本企業が競争優位性を保持するためにはDXの推進が不可欠であり、既存のレガシーシステムを刷新し、DXを推進しなければ業務効率・競争力の低下は避けられないと指摘しました。そして、競争力が低下した場合には、2025年以降、年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生すると予測し、これを「2025年の崖」と呼びました。

社会にDXという言葉を定着させたDXレポート1ですが、企業において実際にDXは進展しているのでしょうか。DXレポート2では、DX推進指標の自己診断結果から、「95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階であり、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていない」「先行企業と平均的な企業のDX推進状況は大きな差がある」と指摘しています。

また、想定していなかった新型コロナウイルス感染症の影響が、DXの本質をえぐり出したとも指摘しています。テレワークをはじめ社内のITインフラや就業規則等を迅速に変更して、コロナ禍の環境変化に対応できた企業とできなかった企業の差は、押印・客先常駐・対面販売など、これまでは疑問を持たなかった企業文化の変革に踏み込むことができたかどうかが、分かれ目になっていると言います。

つまり、事業環境の変化に迅速に適応するには、ITシステムだけでなく企業文化(固定観念)を変革することが重要で、それこそがDXの本質であり、企業が目指すべき方向性であるということです。

2.企業が“いますぐ”にアクションすべき「4つのデジタル化」

DXレポート2では、コロナ禍をきっかけとして企業が“いますぐ”に取り組むべきアクションとして、以下の「4つのデジタル化」を挙げています。

業務環境のオンライン化

テレワークシステムによる執務環境のリモートワーク対応や、オンライン会議システムによる社内外とのコミュニケーションのオンライン化

業務プロセスのデジタル化

OCR製品を用いた紙書類の電子化、クラウドストレージを用いたペーパレス化、営業活動のデジタル化、各種SaaSを用いた業務のデジタル化、RPAを用いた定型業務の自動化、オンラインバンキングツールの導入

従業員の安全・健康管理のデジタル化

活動量計等を用いた現場作業員の安全・健康管理、人流の可視化による安心・安全かつ効率的な労働環境の整備、パルス調査ツールを用いた従業員の不調・異常の早期発見

顧客接点のデジタル化

電子商取引プラットフォームによるECサイトの開設、チャットボットなどによる電話応対業務の自動化・オンライン化

上記の「4つのデジタル化」を実現するツールの迅速かつ全社的な導入が、企業文化を変革していく上でのファーストステップとなります。それには、コロナ禍においても自社の事業を維持・拡大させるという経営層のリーダーシップが重要であることは言うまでもありません。

3.DX推進に向けた短期的な対応

先述した4つのデジタル化については、すでに部分的に実現しているケースも少なくないでしょう。次の段階で進めていくべき短期的な対応としてDXレポート2が挙げているのが、DX推進体制の整備、戦略策定、推進状況の把握です。

「DX推進体制の整備」では、まず経営層、事業部門、IT部門など関係者間の共通理解を形成する必要があります。DXとはどういうもので、自社のビジネスにどのように役立つか、どのような進め方があるのかといった共通理解を形成し、ビジネス変革に向けたコンセプトを描くことが重要になります。

また組織的には、DXの推進体制の要となる最高情報責任者(CIO)や最高デジタル責任者(CDO)などを配置し、ガバナンス体制を確立する必要もあります。DXの推進にあたり経営資源の配分について経営トップと対等に対話し、デジタルを戦略的に活用する提案や施策をリードする立場として役割や権限などを明確にした上で、適切な人材を配置します。

さらに、遠隔地とのコラボレーションを可能とするインフラ整備によって、感染防止にとどまらず、地理的に離れた人材や社外人材など多様な人材の活用を可能にすると指摘しています。

そして、DX推進体制の整備に続く「DX戦略の策定」の段階では、コロナ禍による環境変化を踏まえ、既存の「人が作業することを前提」とした業務プロセスを、「デジタル前提」かつ「顧客起点」で見直す必要があると指摘しています。また、業務プロセスの見直しを恒常的に実施しながら、DX推進指標を活用してDX推進状況を定期的に把握し、状況に応じた改善が求められます。

4.協調領域ではSaaSやパッケージソフトでIT投資を抑制

DXレポート2には、DX推進のために向けた中長期的対応についても言及しています。具体的には、「デジタルプラットフォームの形成」「産業変革のさらなる加速」「DX人材の確保」といったことです。

特に、「デジタルプラットフォームの形成」では、自社の強みとなっている競争領域と、強みとは関係の薄い協調領域とを識別し、協調領域におけるIT投資を効率化・抑制することで競争領域へ投資を振り向ける必要があると指摘しています。協調領域については、業務プロセスの標準化を進め、SaaSやパッケージソフトウェアを活用することで、IT予算や人材の投入を抑えるべきだとしています。

DXに本気で取り組んでいる企業とそうでない企業の間には、既に大きな格差が生じています。本記事で紹介した「4つのデジタル化」などを参考に、自社のできる領域から着実にDXを進める必要があるでしょう。

※1 経済産業省:デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』を取りまとめました

※2 経済産業省:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

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