導入事例 株式会社毎日新聞社
Fit to Standardのアプローチで業務の標準化に成功し、運用性を向上
- 事業内容
- 日刊新聞の発行、雑誌や書籍の発行、デジタルメディア事業の展開、スポーツや文化事業の企画開催
- 業種
- 新聞業
- 導入製品/サービス
- ProActive C4 財務会計/管理会計/債権管理/債務管理
※ProActive E²からの移行
毎日新聞社は、2007年からグループ共通の会計システムとしてSCSKのERPパッケージ「ProActive E²」を活用してきましたが、インボイス制度対応を機にProActive シリーズ最新版のクラウドERP「ProActive C4」に移行しました。長年の運用で自社向けにカスタマイズを重ねていましたが、今回のSaaS利用形態への移行に際して業務を標準化。システムの改修などは行うことなく、インボイス制度が開始される2023年10月を前に無事に移行作業を完了し、現在グループ4社で新システムを活用しています。今回は、ProActive E²の導入からProActive C4への移行にあたり、その背景から導入効果までを、経理本部 財務部長 浅村氏、経理本部 大阪経理部長 大島氏、制作技術局 技術センター 阿久津氏の3名にお話を伺いました。
- 税制改正(インボイス制度の導入)への対応
- 既存システムのProActive E²は大規模なカスタマイズをしていたため、修正やアップデートを行う場合には、大掛かりな作業が必要
- SCSKのサポートによりスムーズなシステム移行とインボイス制度対応を実現
- システムメンテナンスに要する時間の削減など、業務効率化に向け、パッケージ標準機能に合わせた業務の標準化に成功
- 基幹システムをオンプレミスからクラウドに移行したことで、自社サーバーの台数が半数以下に減り、運用の負担を軽減
事業内容について教えてください
毎日新聞は、現存する紙の新聞として最も古い歴史を持ちつつ、現在は「個を見つめ、世の中に伝え、社会をつなぐコミュニケーター・カンパニーへ」というビジョンの下で事業を展開しています。デジタルシフトにも積極的で、早い時期からニュースのデジタル配信を解禁し、現在は記事や写真のデータベース化やアーカイブのデジタル化、紙面とWebとを連携させた掘り下げ報道などの挑戦的な取り組みを行っています。
会計領域のIT化に早期から取り組み
ProActive E²を2007年に採用
ProActiveシリーズ導入の経緯を教えてください
毎日新聞社は、当時の新聞業界としては先進的な取り組みとして会計のパッケージソフトを導入するなど、社内のIT領域においてもチャレンジを行ってきました。その過程で、2007年には中核となる会計領域の基幹システムをSCSK の「ProActive E²」に刷新しました。
使い慣れた製品からProActive E²に移行した当時の理由として、機能面でのレスポンスの良さとデータ連携のしやすさのほか、魅力的だったのはパッケージのメーカーが販売元でもあったことです。以前の導入製品は開発、販売・契約、構築・サポートがそれぞれ別であったためにやりとりの工数がかかっていました。ProActiveはSCSKの営業担当者が製品を熟知していて、自らSIerとして開発から保守まで対応してくれる安心感があり、会計領域の基幹システムとしてProActive E²を採用しました。(浅村氏)
カスタマイズが多く延命はコスト高に
インボイス制度対応で刷新を決意
ProActive E²の刷新を検討した背景を教えてください
ProActive E²の導入時、周辺には、販売、人事給与、広告料金請求などのシステムを独自に開発し、社内システムを全面的に刷新しました。導入以来、自社の業務に合わせる形でアドオン開発を重ねながら活用してきたのですが、2023年10月開始のインボイス制度によりシステムの見直しを迫られることになりました。
会計システムはこれまで特に不具合もなく満足して使っていましたが、インボイス制度に対応するためには改修が必要でした。さらに、既存システムにかなり手を加えていたため、その改修も大掛かりになることが判明しました。(浅村氏)
ProActive C4を選定いただいた理由を教えてください
インボイス制度の対応にあたって、ProActive E²への追加開発による延命的な措置ではなく、会計システムそのもののリプレースを選択することにしました。移行の際には、運用保守やコストの観点からSaaS製品への移行を前提とし、真っ先に名前が挙がったのが「ProActive C4」でした。
ProActive C4であれば、同じ製品なのでリプレースに伴うデータ移行など構築作業をスムーズかつコストを抑えて実現できると期待しました。加えて、開発元のSCSKからの誠実な対応も選定理由の1つです。営業や技術の担当者からのサポートは手厚く、旧システムについても、導入後も親身に対応して当社のシステムをずっと見守ってくれていました。(浅村氏)
システム導入に伴い業務標準化を推進
周辺システムを含めてSCSKがサポート
システム導入はどのように進められましたか?
選定作業を経て、2022年の12月から本格的な移行作業を開始しました。運用に関しては、カスタマイズを入れるとメンテナンスが必要になるので、極力パッケージ標準機能に業務を合わせるアプローチにしました。旧システムは多くのカスタマイズがありましたが、移行にあたりその一覧をSCSKが整理して提示してくれたので、それを踏まえて業務を見直し、想定したよりもスムーズに業務の標準化が進みました。
ProActive C4でUIは刷新されても軸になっている部分の考え方が同じなため、入力項目やマスタ構成などが根本的には変わっておらず、大きな違和感や不都合はありませんでした。当社業務に合わせて構築したシステムから離れることで現場から反発や混乱が起きることも想定されましたが、後継製品ということで、ある程度は受け入れてもらいやすいだろうという思いもありました。(大島氏)
移行の際のSCSKのサポートはいかがでしたか?
システム間の連携に関して、ProActive C4への入れ替えに伴い、これまでProActive E²と連携していた各周辺システムへの改修が必要になると想定していましたが、SCSKの技術者による手厚いサポートもあり、最終的には各周辺システムに手を加える必要はありませんでした。その結果、当初の予想と比べてかなりスムーズにプロジェクトを進めることができました。(大島氏)
ProActive E²と周辺システムの連携にはノーコードで高速開発できるデータ連携ツールを使っていました。今回のシステム入れ替えに伴い発生した設定作業についてもSCSKが担ってくれたので、各システムに手を加えることなくProActive C4へのシステム移行が完了しました。ProActive以外の部分についてもサポートしてくれた点は、SIerであるSCSKだからこそであり、非常にありがたかったです。製品に関する知識やサポートがしっかりしていただけでなく、経理の知識も豊富だったので、グループ会社への導入も含めて安心して移行作業を進められました。(阿久津氏)
今回の導入でProActive E²からProActive C4までの開発と運用を経験しましたが、SCSKがパッケージベンダーでありながらSIerとして周辺システムを含めた一括のサポートを提供できる点はProActiveの強みだと改めて感じました。(浅村氏)
クラウド化でIT部門の運用負荷も軽減
今後のProActive C4の機能強化にも期待
導入後の状況や効果はいかがでしょうか?
導入後の社内展開については、SCSKによるリモートでの複数回の説明会がありました。その後も、使い始めて間もないうちは現場から多数の質問が寄せられましたが、私にも答えられないことが多いので、SCSKの担当者に質問してその都度丁寧に回答してもらっています。(大島氏)
技術部門の効果でいうと、オンプレミスのサーバーが半数以下に減り、古いアプリケーションの保守やセキュリティ対策も含めて運用の負担が減ることが期待できると考えています。(阿久津氏)
今後のProActive C4について期待することがあれば教えてください。
SaaS製品としてのさらなる進化に期待しています。毎日新聞社全体としてデジタルシフトを進める中で、今回いち早く会計領域もSaaSであるProActive C4に乗り換えましたが、まだ現場ではSaaS標準機能に業務を合わせるための慣れが必要な部分があります。ProActive C4もProActive E²の時と同様にこれからユーザーがどんどん増えていき、機能がアップデートされてさらに使い勝手が良くなっていくことに期待しています。(浅村氏)
Check!
ProActive C4は「セキュリティ・信頼性・運用上の優秀性」の観点でAWSが定めた厳しいガイドライン
(AWS ファンデーショナルテクニカルレビュー)をクリアしたクラウドERPです。