※本ブログは、2025年7月7日に旧ブログ(note:SCSK健康経営)にて掲載したものを、内容はそのままに当サイトへ移設・再掲載しております。ご参考までに、掲載内容は、当時の情報となりますことをご了承ください。
はじめに
健康経営に取り組む担当者の方々から、「社員の関心や参加率の低さ」「熱心な社員と無関心な社員の二極化」についての質問を受けます。とくに健康経営において「3割の関心層、7割の無関心層」との言葉を聞く事が多く、大きな悩みとなっています。この状況は、健康経営の効果を最大限に引き出す上での大きな課題であり、永遠のテーマと言えます。
この課題に対し、すべての企業に当てはまる「正解」は存在しないかもしれません。しかし、地道な取り組みの積み重ねと、自社の状況に合わせた施策の改善を続けることで、確実に前進することができる。私たちは過去の経験から学んできました。
これまでのブログでは、健康経営への取組み状況や成果を組織(部署)ごとに見える化することや、「やらなきゃ損(もったいない)」と思わせる効果的なインセンティブを付与する後押しが重要だとお伝えしてきました。
今回のブログでは、これまでお伝えしてきたことを振り返る形で、社員の多くができるだけ自然に健康経営に関心を持ち、参加するよう(参加に前向き)になる「好循環」のコツについてお伝えしたいと思います。

継続は力なり
ここでは社員が「やらされ感」から行動するのではなく、「自らやろう」という社員の主体的な参加を引き出すことが重要です。そのためには、ブログ#02、#04でお伝えしたように、まず土台の整備から始めるという順番を大切に、段階的なアプローチを実践することをお薦めします。
これまでのブログでお伝えしてきたように、当社の残業削減や健康増進施策においては、まず会社としての本気度を示し、ブレずに言行一致を貫き、後押しとなるインセンティブなどの仕組を取り入れ、組織単位での見える化により比較可能性から改善に向けたアプローチを促す、という順番を踏むことで、社員の参加率の向上を実現してきました。
実は、もう一つ大切な考え方があります。
それは、「現場任せ」です。
言葉だけを見ると、「どういうこと?」と感じる方も多いかと思います。広義の健康経営である「働き方改革」。その中で残業削減&有給休暇の取得を取り進めてきましたが、その方法論を人事から現場の皆さん(特にラインマネージャー)に対して、「これをしなさい」「あれをしなさい」といった具体的な削減策・取得策を提示しなかったのです。
誤解を招くかもしれませんが、営業担当者、開発担当者、運用担当者、さらには統括担当やコーポレートスタッフなど、IT業界における仕事の進め方や時間の使い方は、それぞれの部署や担当領域で異なります。またお客様のご要望に合わせた対応もあることから、削減&取得方法については、一律の方式を提示しなかったのです。(正しくは、できなかったのです)
ただ、単なる現場丸投げではなく、企画・実行した施策を「Award」として表彰し、イントラで紹介することで、他部署にも伝播する仕掛けを作りました。部署単位で取り組むきっかけと、それぞれのworkスタイルに合わせた取り組みを模索し、試行錯誤した経験が、「やればできた」から「もう少し改良できるよね」と組織の目標へと変化したのです。
Awardにおいては、賞賛と表彰、その仕組みを広報活動としてメディアに取り上げてもらい、家族や社外の人から「いいね👍」をもらう。そのような小さな好循環を回す仕掛けがひとつふたつと増えていったのです。

私は、このように地道ではありますが、一つひとつ軸をもってやり続けることで、社員の無関心層から関心層への転換は起きると考えています。ただ、どこまでやっても関心層を100%にすることは不可能です。少しでもその割合を増やしていくためにも、自社にあった伝え方など試行錯誤の地道なプロセスは避けて通れないのです。
そして、忘れてはいけないのが、「分かり易さ(シンプルさ)」です。数年継続できた際、担当者としてどうしてもレベルアップや高度化を目指したくなります。でも健康といったベースになることは、「シンプル」な目標をいかに地道に継続しつづけるか、がとても大切なのです。
これこそ、ブレずに突き進みましょう。
成功に導くための制度・仕組み:健康経営推進の基本フレームワーク
こういったセオリーを実践に落とし込むにあたっては、経営理念・方針の打ち出しや、施策の実施・評価に加え、社内の組織や体制、制度など、さまざまな側面の整備が必要になります。
具体的には、まずは健康経営における企業の現在地をデータから確認し、
1. 健康経営を通じて何を目指すのか
2. 健康経営の取り組みに対して、経営層がどのようなメッセージを発信するのか
3. 組織的な管理に紐づける形でどのように施策やインセンティブの仕組を構築するか
4. 経営理念・方針に照らした「言行一致」を担保するために、健康経営の評価制度をどのように設計するか
5. 施策に取り組みやすくするために、どのような社内制度を整える必要があるか
などを包括的に見ていく必要があります。
これらの要素を、私たちは「健康経営のフレームワーク」と呼んでいます。詳しくは、回を改めてこのフレームワークについてお伝えしたいと思います。
まとめ
今回のブログでは、「社員の関心や参加を向上させるのが難しい」という、健康経営実施においてよくある悩みへの対処として、「一歩を踏み出す」ための地道なアプローチについて、改めてお伝えしました。
次回は、多拠点を持つ企業における健康経営の浸透の難しさという、よく聞かれるもうひとつの悩みの解決の糸口をお示ししたいと思います。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
今日の健康経営あるある
今回のブログの中に、「現場任せ」とのコメントを書かせてもらいました。
これって、無責任ですよね。実際、施策を実行した際、現場の部長や課長から「この施策を実行するにあたって具体的になにをすればよいの?」との問いあわせを多くいただきました。その際、記載のように各現場に置かれる状況が統一でないことを丁寧に説明しましたが、「無責任だ」「(考えることを)現場に丸投げか!」と多くのご指摘をいただきました。
ここでのお助けマンは、やはり経営トップでした。役員会の場面で「会社や人事がいくら施策を出しても、皆さん(マネジメント層)が魂を入れなければ成功しない」とのコメントが発信され、担当への質問は収束するのでした。
ここでもトップの覚悟が必要であり、わかりやすさも必要なのだと強く感じたのでした。

