コラム

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2020.04.13
人事労務トピックス

新型コロナウイルスで、テレワーク導入が本格化の兆し。
課題は労働時間の管理

これまで掛け声ばかりが大きいという印象のあったテレワークですが、新型コロナウイルスの感染拡大を回避するため、本格的に環境を整備しようという企業が増えています。しかし、オフィスに出勤しないため、労働時間の管理がどうしても難しくなってしまうという課題もあります。テレワークを導入する際には、メリットだけでなく、課題とその解決策を押さえておくことが大切です。

1. テレワークのメリットは幅広い

テレワークの最大のメリットは出勤する必要がないことでしょう。都市部では満員電車に乗る必要がなく人混みを避けられるため、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染リスクを抑えられます。テレワークで働ける環境を整備しておけば、新型コロナウイルス問題が収束した後も、場所に縛られない柔軟な働き方の選択肢を従業員に提示できるでしょう。

営業担当者が出社することなく、直行、直帰する。育児のために仕事から離れていた人でも継続しやすくなる。企業はテレワーク環境を整備することにより、結果として、優秀な人材を確保しやすくなるとも言われています。

2. テレワーク実施における2つの注意点

ただし、メリットだけではありません。トラブルが起きないようにするためにはセキュリティの確保と勤怠管理体制の確保の2点に注意を払う必要があります。これを怠ってテレワークを開始してしまうと、企業にとって思わぬ大きな損失が発生する可能性もあるからです。

テレワークの最もシンプルな方法は、仕事で使うデータを外付けのHDDやUSBメモリなどに保存し、自宅のパソコンでデータを展開するというものです。また、最近では多くの企業でノートPCを採用しているため、自宅に持ち帰って仕事をするケースが一般的です。しかし、こうしたデバイスを紛失すれば、保存していたデータが漏えいする危険性もあります。

また、自宅で使うPCのセキュリティ環境を十分に整備していなければ、サイバー攻撃による不正アクセスを受けることになり、情報が盗まれる可能性もあります。もし大量の顧客データを持ち帰って作業をしている時に、攻撃を受けて重要な情報が流出すれば、大きな問題に発展しかねません。テレワークを実施する際は、セキュリティ対策の確認は不可欠になってくると言えるでしょう。

もう一つの課題が勤怠管理です。テレワークを導入する場合に、従業員の勤怠管理体制を整えることが不可欠になります。オフィスに出社しているわけではないので、働いている様子が見えません。そのため、テレワークでは勤務時間という最も単純な管理項目すら正確に把握できなくなってしまうのです。企業にとっては、働いていない人に給与を支払うリスクが生じるというわけです。

一方で、従業員側としては、場合によっては残業もいとわず働いて成果を出したにもかかわらず、それを認めてもらえないといったケースも起こり得えるでしょう。事前に勤務時間を確認できる体制や社内ルールを決めておかなければ、トラブルに発展する可能性もあります。勤務時間の管理方法を見誤ると、管理者の負担が膨大になるケースもあります。従業員が勤務時間を申告しやすい方法だけでなく、管理面の負担も考えなくてはならないでしょう。

セキュリティや勤怠管理の課題を解決し、トラブルを避けるためには、質の高いテレワーク環境を構築する必要があるのです。

3. 労働基準法などの法制度を確認し、労働時間を管理

テレワークでも、当然ながら労働基準法などの法律が適用されることを忘れてはなりません。勤怠管理でいえば、労働時間を適切に管理するために始業、終業時間を労働日ごとに確認し、記録する必要があります。

労働基準法では就業場所を明示する必要があるため、テレワークの場合は従業員の自宅を就業場所として明示する必要があります。業績評価に関しても、もしオフィスに出社しているときと異なる評価方法を用いるのであれば、内容を説明し、就業規則を変更する必要があります。

ただし、労働時間を適切に管理する際は、従来のような出勤時間と退勤時間の管理だけでは不十分です。テレワーク中は、勤務時間中に本当に仕事をしているのかを把握するために、在席確認を行わなければなりません。それを実現するための、労働時間を管理するための方法を紹介しておきます。

4. メール、チャット、電話で確認

最も取り組みやすい方法は、既に仕事で利用しているメールやチャットで出勤と退勤を連絡することです。メールやチャットであれば、送信するだけで時間の記録が残るので、勤怠を管理できます。チームの人数が少ない場合は電話で確認を取ることも可能です。

これについては、体制を整えるのに必要なコストは小さいものの、在席確認に手間がかかること自体がデメリットになります。例えば、1時間ごとにメールなど何かしらのアクションが必要というのでは、従業員にとって非常に煩わしいものになってしまいます。

5. テレワークに対応した勤怠管理システムを活用

導入コストは発生しますが、従業員の労働時間を効率的に管理するために勤怠管理システムを導入することは、テレワークのためだけでなく、人事部門の業務軽減のためにも有効です。例えば、ProActiveであればスマートフォンで打刻することも可能ですし、給与システムや人事システムと連携することで人事部門の管理の手間を大幅な削減にもつながります。

ProActiveの勤怠管理システム

図: ProActiveの勤怠管理システム

テレワークの導入により、従業員が自分に合った働き方を柔軟に選べるようになることは大きなメリットであることは間違いありません。新型コロナウイルス対策を機に、テレワーク環境を整えておくことで、今後起こり得る地震や自然災害など非常事態の発生時における事業継続体制の構築、さらには人事部門の生産性向上も実現できます。

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