導入事例 三重県信用農業協同組合連合会
データのサイロ化で生じた非効率な業務と管理負担を
クラウドERP「ProActive C4」で解消
- 事業内容
- 三重県にある農業協同組合(JA)の信用事業運営のサポート、金融商品やサービスの提供
- 業種
- 金融
- 導入製品/サービス
- ProActive C4 財務会計/管理会計/債務管理/固定資産管理/人事/給与/個人番号管理/給与明細閲覧/経費/勤怠管理
※ProActive E²からの移行
※下線部分はProActive C4導入時に追加されたモジュール(2023年10月)
金融サービスを通じて三重県内の農業や地域産業振興の一翼を担う三重県信用農業協同組合連合会では、スクラッチ開発したシステムが複雑化し、データがサイロ化*したことから、業務効率の低下やシステムの運用負荷が課題となっていました。そこで、オンプレミスのERP「ProActive E²」に続くクラウドERP「ProActive C4」の導入を通して、業務効率の更なる向上やコスト削減、そして働きやすい職場環境の改善を図られています。今回は、ProActive E²の導入からProActive C4への移行にあたり、その背景から導入効果までを、経営統括本部 経営企画部 部長代理の三井氏と部長代理補 髙士氏、部長代理補 柳生氏にお話を伺いました。
*サイロ化とは、組織においてシステムが独立して存在し、他のシステムとのデータ連携や情報共有がなされないこと
- データのサイロ化で生じた非効率な業務
- 法改正のたびにシステムの更新が必要
- システムの集約・データ連携による二重入力の削減
- クラウド化により法改正へのシステム対応が不要に
事業内容について教えてください
当会は、三重県にある7つの農業協同組合(JA)の信用事業をサポートする県本部機能を担うとともに、自らも金融機関として県内全域にわたって金融サービスを提供し、県内農業や地域産業の発展に尽力しています。
スクラッチ開発したシステムの課題を
ProActive E²によって改善
ProActive E²導入時の背景を教えてください
当会の重要な情報システムの1つに、職員の勤怠管理や人事給与を管理するシステムがあります。スクラッチ開発の同システムは他のシステムとの連携や仕様変更に伴う改修を重ねた結果、操作が複雑になり、ユーザビリティが損なわれていました。データがサイロ化していたことで業務効率が低下するほか、システムの複雑化でメンテナンスコストの増大にもつながっていました。
当会では、人事給与処理の簡素化や担当者の負担軽減、そしてシステム運用のコスト削減を目的にパッケージシステムを利用する方針を決め、2009年にSCSKの超寿命ERP「ProActive E²」を採用しました。機能については人事給与や給与明細閲覧、財務会計、管理会計などを導入しました。(髙士氏)
OSのサポート終了と業務変革の機運が重なり
システム刷新と移行に着手
ProActive E²の導入からProActive C4への移行の背景を教えてください
ProActive E²の導入から10年以上が経過し、サーバーOSのサポート終了や電子帳簿保存法などの法制度対応が迫っていました。これを機に、会内システム全体を見直し、業務の効率化やシステムの集約化を進めることになり、ProActive E²から新システムへの移行を検討することとなりました。
当会では、必要な機能を追加してきた結果、62種類のシステムを使用して業務を行っていました。ProActive E²と連携できずに生じていたデータのサイロ化や、それに伴う二重登録の手間、コストなどを削減するため、システム全体を見直し、基幹システムとグループウェアを中心に業務を集約することにしました。(三井氏)
クラウドやシステム連携性を念頭に
実務担当者の視点も交えて比較検討
ProActive C4を選定頂いた理由を教えてください
新たなシステムは、クラウドを視野に入れて複数のシステムから検討を進めました。10年以上前はクラウドに対してセキュリティ面が懸念されて抵抗感もありましたが、年月が経ってクラウドサービス全体のセキュリティ強化が進み、大手企業などでも利用実績が増えていることから、そのメリットに注目するようになりました。(柳生氏)
システムの機能要件の1つは、現行の会計システムを継続利用できることを前提に、勤怠管理と固定資産管理を同じ基幹システムに集約し、データの連携性を高めることで二重管理を削減し、業務の効率化を実現できる点でした。また、健康保険組合などへの電子申請や電子帳簿保存法の対応、ワークフロー機能によるペーパーレス化の実現を要件としていました。(三井氏)
基幹システムと他のシステムとの連携のしやすさも重視しました。アカウント管理やグループウェア、文書管理などとの今後の連携の可能性も視野に入れてシステムを検討しました。(髙士氏)
最終的に3つの製品に候補を絞った上で複数の部署から合計9名の検討ユニットを組み、評価を実施しました。メンバーには実際にシステムを利用する部門の代表者も含まれ、それぞれの視点で評価表に点数をつけていきました。その結果、最も得点が高く、価格面でも妥当だったのが、ProActiveの新シリーズであるクラウドERP「ProActive C4」でした。(柳生氏)
当会のセキュリティポリシーと照らしても、十分対応できると判断しました。また、ProActive E²を通しての長いお付き合いで信頼でき、営業担当者の熱意やきめ細かな対応も決め手でした。(三井氏)
比較検討した他のシステムよりもUI・UXが優れており、ProActive E²よりも直感的に操作できる点も好評価でした。(柳生氏)
システム刷新に伴って新しい働き方や
業務効率化の文化を根付かせたい
ProActive C4を活用した今後の展望を教えてください
まずクラウドサービスであることからバージョンアップは自動で行われるようになり、法改正のたびに発生していたシステム改修を行うためのコストや業務負荷の軽減が見込まれます。
目標であったシステム集約による効果も見据えており、人事給与と勤怠管理間、会計と固定資産間それぞれで重複するデータを二重に管理する必要がなくなります。他システムとの連携性も改善されることで、データを簡単に共有できるようになり、効率的なデータ管理に加え、集計や分析もしやすくなるでしょう。(柳生氏)
ワークフロー機能を活用することによる期待もあります。これまで紙で行っていた経費支出稟議や住所変更といった人事関連の申請をワークフロー化して、業務効率化とペーパーレス化を加速できます。印刷の手間やコスト削減はもちろん、紙の削減は事業所の省スペース化にも貢献します。
また、年末調整の手続きも、従来の書類では記入ミスも多く人事に大きな負担がかかっていましたが、今後はWeb上での入力により、書類の配布や回収とあわせて大幅に軽減される見込みです。経費精算においても、将来的にProActive C4のAI-OCRでの領収書の読み取り機能を活用したり、各自が登録し申請したりできるようになれば、経費の取りまとめを行っていた担当者の負担も軽減できるでしょう。(髙士氏)
このProActive C4によって、当会では引き続き、業務改革を進めていく構えです。クラウドで利便性が高まったProActive C4で在宅勤務や時差出勤など働き方改革を実現するとともに、業務効率化の文化も根付かせていきたいと考えています。(三井氏)
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ProActive C4は「セキュリティ・信頼性・運用上の優秀性」の観点でAWSが定めた厳しいガイドライン
(AWS ファンデーショナルテクニカルレビュー)をクリアしたクラウドERPです。