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2021.06.28
法制度

2021.06.28

労働保険の年度更新について社労士が解説

令和3年度の労働保険の年度更新手続きを行う時期になりました。今年度の申告・納付期限は、7月12日(月)までとなっています。
この記事では、人事労務のエキスパートとして様々なサービスを全国に展開する小林労務が、年度更新の基本知識について解説します。

1.労働保険とは

労働保険とは、労働者災害補償保険(以下 労災保険)と雇用保険の2つを総称した呼び方です。保険給付は、労災保険と雇用保険でそれぞれ別々に行っていますが、保険料の申告・納付は、 労働保険料として一括して行います。
原則として、事業主は労働者を1人でも雇用していれば、労働保険の適用事業となり、労働保険料を納付しなければなりません。

2.労働保険の年度更新とは

労働保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日を単位として計算します。その年度における申告の際に、保険年度の当初に概算で保険料を申告・納付(これを概算保険料といいます)し、翌年度に保険料を精算(これを確定保険料といいます)することになっています。これを労働保険の年度更新といいます。
したがって、事業主は、年度更新期間である毎年6月1日から7月10日までの間に新年度の概算保険料と前年度の確定保険料の申告・納付の手続きを同時に行うことになっています。土曜日・日曜日・祝日の場合は、次の日が期限になるため、令和3年度の年度更新期間は、6月1日~7月12日までとなっています。

3.年度更新手続きのQ&A

Q:計算対象期間は?

算定期間中(4月1日から翌年3月31日まで)に支払いが確定した賃金は、実際に支払われていなくても算入する必要があります。
例えば、当月末締め翌月15日払いの会社は、5月15日払いから翌年4月15日払いまでの賃金総額で集計します。

Q:計算対象者は?

労災保険は、原則として、常用・日雇・パート・アルバイト等名称や雇用形態にかかわらず、労働の対償として賃金を受けるすべての労働者が対象です。
雇用保険は、原則として、常用・日雇・パート・アルバイト等名称や雇用形態にかかわらず、次のいずれにも該当する労働者が対象です。

  • ① 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • ② 31日以上の雇用見込みがある場合

労災保険と雇用保険では労働者の対象範囲が異なる場合があります。あらかじめ対象範囲を明確にし、手続きを行いましょう。

Q:計算方法は?

労働保険料は、4月1日から翌年3月31日までの1年間に、事業主がすべての労働者に支払う見込みの賃金総額に労災保険料率と雇用保険料率を乗じて算定します。一般拠出金については、賃金総額に一般拠出金率を乗じて算定します。
労災保険料は、常用・日雇・パート・アルバイト等すべての労働者に支払われた賃金に、労災保険料率を乗じて計算します。労災保険料率は、業種ごとに区分されていて、1,000分の2.5から1,000分の88の範囲で定められています。
参考:令和3年度の労災保険率について

雇用保険料は、雇用保険被保険者に支払われた賃金に雇用保険料率を乗じて計算します。雇用保険料率は、一般の事業の場合1,000分の9になります。

一般拠出金は、石綿(アスベスト)による健康被害の救済に関する法律により、石綿健康被害者の救済費用に充てるため、申告・納付が始まりました。一般拠出金は、労災保険料の対象となる賃金総額に一般拠出金率の1,000分の0.02を乗じて計算します。

Q:賞与や休業手当も計算対象?

賃金総額とは、事業主が労働者に対して、賞与等の名称に関係なく労働の対償として支払うすべてのものをいいます。したがって、賞与や休業手当も計算対象となります。

Q:更新手続きを効率的に行う方法は?

労働保険年度更新手続きについては、電子申請を利用することで手続きを効率的に実施できます。

4.労働保険の年度更新における電子申請利用のメリット

紙で申請を行う場合、事業主は申告書に手書きで記入し、窓口へ出向いて提出が必要です。手書きの手間だけでなく、窓口へ出向く時間や交通費などのコストも非常に負担となります。
電子申請を利用することで、窓口を回る手間がなく、インターネットを介して会社や自宅のパソコンから手軽に手続きができるようになります。
小林労務が提供する、電子申請手続きに特化したシステム「e-asy電子申請.com」は、労働保険の年度更新に対応しています。e-asy電子申請.comでは、最初に労働保険番号等の会社基本情報を登録していれば、年度更新の手続きの際に、会社基本情報を再び入力する必要がありません。さらに、もし異なる項目に入力してしまっても、エラーチェック機能が備わっているため、年度更新手続きが初めての方でも安心してご利用いただけます。

5.おわりに

会社が労働保険料を納付期限までに納付しない場合、労働保険料とは別に延滞金を納付しなければならない可能性があります。
また、事業主が労働保険料を滞納している期間中に業務災害や通勤災害(いわゆる労災)が発生した場合、被災した労働者に対して保険給付は行われますが、その保険給付に要した費用の一部(最大40%)を保険料とは別に徴収されることになっています。
したがって、年度更新の手続きは必ず申告・納付期限までに済ませるようにしましょう。

株式会社小林労務 上村 美由紀氏

株式会社小林労務
代表取締役社長 特定社会保険労務士 
上村 美由紀

2006年 社会保険労務士登録
2014年 代表取締役社長就任
電子申請を取り入れることにより、業務効率化・残業時間削減を実現。
2016年に、東京ワークライフバランス認定企業の長時間労働削減取組部門に認定される。
社労士ベンダーとして、電子申請を推進していくことを使命としている。

ProActive 給与管理システム

SCSKが提供するProActive 給与管理システムでは、労働保険の年度更新業務資料出力をはじめ、多様化する人事制度や雇用形態に応じ、様々な報酬計算に対応しています。また、法改正や各種申告制度の変更についても随時対応いたします。
2020年からは、社会保険・労働保険の電子申請義務化に伴い、ProActiveとe-asy電子申請.comの電子申請連携ソリューションを提供しています。

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