※本ブログは、2026年3月18日に旧ブログ(note:SCSK健康経営)にて掲載したものを、内容はそのままに当サイトへ移設・再掲載しております。ご参考までに、掲載内容は、当時の情報となりますことをご了承ください。
目次
はじめに
これまでの記事でお伝えしたように、私たちSCSKでは、企業で働く社員の一人ひとりが、仕事と暮らしを充実させることができれば、それが活力溢れる社会の実現につながると考え、健康経営を通じてこうした組織づくりを支援し、社員がイキイキと活躍できる環境を創り出してきました。
今回は、「禁煙」を取り上げさせていただきます。実は、これまで15回のブログを公開しましたが、第3回のブログ(禁煙への取り組み)が最も皆さんに読まれているのです。2番目に読まれている記事の約2倍のview数なのです。(直近1ヶ月で見ると、なんと4倍以上の差)私も少し驚きましたが、たばこに関するテーマはどの業界においてもどの企業においても興味関心の高いテーマだと言えますね。
今回のブログでは、この禁煙(卒煙)の取り組みについて、なぜ多くの企業で禁煙(卒煙)施策が思うように進まないのか、その理由を探ります。
なぜ禁煙(卒煙)テーマが2倍のview数になるのか。
禁煙(卒煙)をテーマとしたブログの閲覧数から、多くの企業で、喫煙問題を健康経営上の課題として取り組んでいることがわかります。
事実、2024年度の健康経営度調査の回答公開企業2,679社の内、約25%(おおよそ4社に1社)、2025年度の健康経営度調査の回答公開企業2,938社の内、約27%の企業が喫煙を課題として掲げています。
では、なぜ多くの企業が喫煙を「健康経営上の課題」ととらえているのでしょうか。
それは、多くの研究で示されているように、喫煙が「癌」「呼吸器疾患」「循環器疾患」を引き起こす原因の上位だからなのです。そのため、少しでも疾患のリスクを下げることは経営上のリスク回避でもあり、必要な取り組みとして、各企業で喫煙(卒煙)に取り組むのです。
一方で、企業の健康経営担当者の方からは、以下の2点の質問を受けることがとても多いです。
- ・会社のメッセージが届かない(届きづらい)
- ・自分事としてとらえてもらいにくい
では、なぜこのようなメッセージが伝わりにくく、自分事化されにくいのでしょうか。

企業の禁煙(卒煙)が進まない2つの理由 その①
これは、私一個人の見解ではありますが、以下の2つにまとめられます。
- 1.実は、パフォーマンスにおいて、影響はほとんどない
- 2.喫煙者は約3~4割。残りの6~7割は非喫煙者
2025年度に実施した「健康サーベイ」において、喫煙者・非喫煙者のパフォーマンス発揮度をご紹介します。
- 非喫煙者: 82.7%
- 喫煙者: 82.2%
ご覧の通り、ほぼ同数です。ここで、なぜパフォーマンスの視点を入れているのか。それは、喫煙の影響がとても分かりづらい点をお伝えしたいからです。睡眠や運動、食生活と同様に、分かりやすくパフォーマンスへ影響を与える事象であるならば、企業による介入はしやすいのですが、そうではないため、伝え方があいまいになってしまうケースがあるのです。
企業の禁煙(卒煙)が進まない2つの理由 その②
そして、もう1つが大きなポイントです。健康経営つまり経営戦略の一環としての健康行動・健康習慣の定着を狙いとした場合、その主たる取り組みとして「たばこ」にフォーカスしてしまうと、残りの6~7割の方々にとっては、「他人事」の施策と映ってしまうのです。また、当の本人(喫煙者)にとってみると、大きなお世話な施策(取り組み)としか映らないのです。さらには、禁煙(卒煙)プログラムとして、インセンティブを設定することとなった場合、非喫煙者からは「なんでたばこを吸う人にお金の援助があるの?吸っていないことへのインセンティブはないの?」とのクレームになるのです。
このクレームは、「ガッカリ感」に繋がることとなり、場合によっては、会社への不信感へとつながるケースもあります。
これでは、健康経営推進担当者も頭を抱えてしまいますね。
では、どうする? 打開策と伝え方
これらの打開策の一つとしてお伝えしたいのは、たばこのとらえ方です。確かに、今日明日のパフォーマンスに影響を与えることは少ないですが、現在の健康状態を5年後、10年後も継続して保持・増進し続けるためにも、たばこを趣味・嗜好の観点で捉えるのではなく、疾患リスクとして、定義し、禁煙(卒煙)の必要性を訴えてください。
その際、経営トップのメッセージ/わかりやすさ/インセンティブとともに、制度・施策による工夫に当てはめて検討することをお薦めします。

まとめ
喫煙者、非喫煙者それぞれの言い分はあります。
企業として、経営戦略の一環として健康意識の定着を目指すのであるならば、企業経営としての5年後10年後を意識した取り組みとしてとらえ、その考え・思いをストーリーとして語ることが重要です。何のため、何を実現するためなのか。
SCSKでは、健康は「個々人や家族の幸せとともに、事業発展の礎」と定義しています。だからこそ、健全なるおせっかいとして、経営者も産業医含めた産業保健関係者もあれこれ口を出すのです。
この組み合わせが、健康経営を支える仕組みの一つだと言えます。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
今日の健康経営あるある
就業時間内喫煙不可とするルールを就業規則に盛り込んだのは、2013年でした。
当時、夕刊紙から取材を受け、広報部所属の私は、丁寧に回答をさせていただきましたが、取り上げられ方としては、「個人の自由を過度に制限しすぎ」「規制は企業風土を窮屈にする」とした論調で、面白おかしくとらえられてしまった経験があります。
今では、就業時間内喫煙不可を掲げる企業は増えてきました。時代の流れの中で、企業のあり方や姿勢は変わっていくのだと言えます。
ちなみに、私の入社した当時(90年代)、定時後自席に灰皿をおいて仕事をすることが可能でした。世の中は少しずつですが、変わるものなのですね。
たばこについては、興味関心度も大変高いことから、次回は、若手社員、“たばこ場”のリアル、全館禁煙を推し進めた現場担当者がどのような課題に向き合ったのか、その工夫も交えて掘り下げていきます。
現場の悩みと工夫を取り上げますので、お楽しみ。

