コラム

ヘッダー画像
2020.08.05
人事労務トピックス

「Web給与明細システム」導入のメリットと留意点

新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークによる在宅勤務が幅広い業界で採用されています。そこで課題になるのが、毎月の給与や賞与などの明細書が電子化されていない場合、紙で発行し、配布しなくてはならないことです。この課題を解決するのが、「Web給与明細システム」です。従業員がWebにログインし、給与明細を閲覧できるようにする給与明細の電子化のメリットとデメリットのほか、企業側と従業員側の視点、導入における注意点、法的観点、導入ステップについて解説します。

1. Web給与明細システムを導入する企業にとってのメリットとデメリット

Web給与明細システムを導入する(給与明細の電子化を行う)企業側の大きなメリットは、明細印刷のための出社が不要になることです。明細が紙からウェブに代わるため、印刷や配布の必要がなくなり、そのためのコスト負担を抑え、担当者の業務負担を軽減できます。

また、電子化することで、印刷、封入、配布といった一連の作業における人的ミスが発生するリスクを防ぐこともできます。個人情報を扱うため、周囲を気にしながら作業する時間を選ぶといった無駄も省けるようになり、業務を効率化できるといった声も多いようです。

また、導入する製品にもよりますが、表計算などで作成した昇給通知書や通勤費支給通知書のテンプレートをそのまま使える場合もあり、従来の利便性を維持する選択肢も用意されている製品もあります。

一方、デメリットとなってしまうケースもあります。Web給与明細システムを導入するにあたり、既存の業務システムとうまく連携するかどうかを考慮しておく必要があります。Web給与明細システムは、既存のシステムと一体化するものとCSVファイルなどを連携するものに分かれますが、CSVファイルを連携する場合には、取り込み出来るようにデータの加工が都度必要になるなど、思わぬ負担に悩まされる可能性があります。

2. Web給与明細システムを利用する従業員にとってのメリットとデメリット

システムを利用する従業員にとっても、PCのウェブブラウザやメールを経由して、いつでもどこでも給与明細書を確認できることは、出社して受け取る必要がなくなるなどのメリットがあります。また、重要な個人情報を紛失する心配がなくなること、過去分を自由に閲覧できることによる安心感も、見逃せない効果と言えるでしょう。

一方、デメリットは、給与明細を閲覧するためにPCなどの端末を使わなくてはならないということです。端末がない場合はもちろん、端末がある場合も、パスワードを入力してログインしなくてはならないなど、手続きが煩雑だと感じる従業員もいるでしょう。

3. Web給与明細システム導入にあたっての、法的な注意点

Web給与明細システム導入に当たっては、法律面から注意しておくべき点があります。それは、従業員の同意を取らなければならない点です。給与明細の電子化自体は、平成19年1月1日の税制改正で認められるようになりましたが、電子交付をする際には従業員の承諾や同意が必要と規定されています※1。

また、国税庁では、電子データは容易に改変できるといった面があるため、義務化していないものの、真実性を担保するために電子署名を付け電子証明書を添付することを勧めています。

4. 導入ステップを確認

ここまで、Web給与明細システムの導入について、メリットやデメリット、注意点をみてきました。その上で実際の導入を検討するに当たってのステップを考えてみましょう。

最初に、導入目的を明確化しておきましょう。ウェブ化することによって得られる効果のうち、最も重視するのが、コスト削減なのか、従業員満足度向上なのかなどによって自ずと以後の展開が変わってきます。

次に、導入製品の候補をピックアップします。導入目的と適合しているか、拡張性はあるか、機能面は足りているか、コストは見合うかなど観点はさまざまあるため、自社の都合とよく照らし合わせる必要があります。エンドユーザーの利便性を考慮した上で、最も重要な機能を優先してシステムを設計する必要があるからです。

また、既存システムとの連携方法については注意しておく必要があります。ここが甘いと、追加開発が多く発生するなど、後々に悪影響が及んでしまいます。導入主体が人事部門であっても、情報システム部門などの関連部門との調整や協力が必要になります。

さらに、導入ステップ全体を通じて考えておきたいのが、Web給与明細システムの導入が、人事部門の業務プロセスを見直す良い機会になるということです。紙の明細書の作成を担当していた従業員が、より付加価値の高い業務、たとえば制度開発や人材教育などの業務に従事できるようになれば、企業全体としてシステムの導入効果が高まってきます。

5. ProActive for SaaS 給与明細閲覧システム

SCSKでは、「ProActive for SaaS 給与明細閲覧システム」を、テレワークによる在宅勤務導入支援のため、月額使用料を3カ月無料にするキャンペーンを2020年9月30日まで実施しています。ProActiveの給与管理システムだけでなく、他社製の給与管理システムとも連携することができます。Web給与明細システムを導入の際には、ぜひご検討ください。

[参考]

関連ページ

Contact us

ご興味を持たれた方、まずはお気軽に
お問い合わせください!