導入事例 株式会社学研プロダクツサポート

株式会社学研プロダクツサポート

2万人超のマイナンバー管理とワークライフバランスを実現
17社のグループ人事システムを「ProActive E²」で構築

導入の概要

「私たち学研グループはすべての人が心ゆたかに生きることを 願い今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」 をグループ理念として掲げる学研グループの会計・人事等のシェアードサービス企業である学研プロダクツサポート様。 旧システムにおいて抱えていた課題を解決し、現在、そして将来を見据えた新たなグループ人事システム、マイナンバー管理システムとして、「ProActive E²」を採用されました。

今回、システムリプレースに至った背景と、選定のポイントから導入効果について、株式会社学研プロダクツサポート 代表取締役社長 増山 敬祐氏、人事サービス部長 押目 昭子氏をはじめ、人事チーム、マイナンバーチームのシステム導入に携わった皆様に、お話を伺いました。

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グループ人事管理に旧システムが対応しておらず、分社化により業務プロセスが煩雑に。
マイナンバー制度への対応と労働生産性の向上を目指してシステム導入を検討開始。

今回、なぜシステムの刷新を検討されたのでしょうか?その背景をお聞かせください。

旧システムは2003年に本番稼動し、10年以上にわたり利用してきました。長期に亘って利用してきたため、システムの老朽化だけでなく、機能の拡張性に乏しく、現状に対応できていませんでした。そのため、手作業が増え、非効率な業務プロセスとなり、時間外勤務時間が増えていました。なぜ勤務時間が長時間化したのかというと、2009年の学研ホールディングスの前身である学習研究社の分社化が最大の要因でした。分社化により、管理対象企業数が1社から10数社へと増えたのです。
旧システムは、複数会社管理に対応していなかったため、煩雑になる業務が増えました。具体的にいうと、グループ間の転籍処理や、それに紐付く人件費の負担企業・部門の変更など、会社間をまたがる業務への対応が行えませんでした。また、人事・給与システムの設定項目が拡張性に乏しく、各社制度をシステムに反映することができないため、システム外での作業が増えており、2015年10月の人事サービス部の時間外勤務は、平均60時間となっていました。
また将来に目を向けた場合、新たな会社が誕生し、その業務を当社で請け負うとなると、社数に比例して業務負荷が高まり、労働時間がさらに増加してしまうという状況でした。そして、手作業が多いことは、当然ミスにもつながってしまうため、業務の効率は低くなってしまいます。
こうした状況を踏まえ、「このままでいいのか?」という疑問を感じ、「長時間労働をなくしたい」「システムの運用が大変」という声を何とかしたい、という思いが強くなりました。労働生産性を向上しワークライフバランスを実現することと、2014年から学研ホールディングスでもダイバーシティ推進室を立ち上げており、その方針に沿った働き方をしなくてはならないため、新たなシステムを導入し、残業しない業務プロセスを構築するという目的を掲げ、システム検討のスタートを切りました。 また、新たな制度として始まったマイナンバー制度への対応も必要な時期であったため、マイナンバーの管理システムについても、並行して検討を開始しました。

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課題を解決する新システムの選定ポイントは、求める業務要件の適合度とTCOに加えて、導入サービスを担当するコンサルタントの提案力を含めて、総合的に評価。

課題を解決するための新システム検討は、どのように進められたのでしょうか?

まず人事システムですが、旧システムにおける課題を踏まえ、あるべき姿を検討し、新システムに求める要件を整理しました。その後、インターネットなどで調査し、9社の資料を取り寄せ、資料ベースで評価した後、5社へ絞り込み、RFP(提案依頼書:Request For Proposal)を提示しました。各社の提案内容やデモをメンバー全員で確認し、課題を解決できるのか?はもちろんのこと、実際の画面を見て、操作性も評価し、本当に我々が望んだものであるかを確認しました。
次に、マイナンバーのシステムですが、当社グループでは、特に個人事業主の管理が重要でした。なぜかというと、特に出版事業では、執筆者が数万人におよび、そのマイナンバーの管理が必要ということもあり、2015年1月に制度対応のワーキンググループを立ち上げ検討を開始しました。業務面で考えると、支払管理のシステムと密接なため、現行システムの調査をしたところ、外資系ERPパッケージの支払管理システムであり、日本の制度であるマイナンバーへの対応は難しいと判断しました。そのため、システムを新規に作るのか、外部に委託するのかという管理形態を含め、一から検討することとしました。

色々と比較検討されたと思いますが、最終的にProActiveを選択したポイントを教えてください。

まず、人事システムですが、評価のポイントは3点ありました。まずは、「課題を解決できるシステム」だったということです。要件の適合度は十分であり、かゆいところに手が届くという点を評価しました。 次に重視したのは、「人」です。今回のグループ人事システムの構築規模は大きく、失敗できないプロジェクトでしたので、提案力やプロジェクト推進面など、信頼できる人であるかを評価しました。SCSKは提案力の高さ、プロジェクトマネージャの人柄などを踏まえ、信頼できるパートナーであると判断しました。 最後は「コスト」です。提案製品の10年TCOを比較した結果、それどの差はなく、全製品とも想定の範囲内であったこともあり、総合評価からSCSKのProActiveを選定しました。
またマイナンバー管理システムは、別システムを構築するのではなく、人事システムと同じ製品で管理できるのであれば、システムの運用管理の集約と、コストのセーブにつながると考えました。そのため、人事サービス部のシステム検討状況や各人事システムの製品としてのマイナンバー対応機能を確認しつつ、検討を進めました。人事システムがProActiveに決定したことを受け、早速ProActiveのマイナンバー対応機能を確認しました。当社の重要な要件である従業員の個人番号だけでなく、取引先(執筆者など)の個人番号管理が、ProActiveで可能ということを確認した上で、要件を満たすことができるシステムかについて評価をしました。マイナンバー制度の開始前であり、検討時点で理解していた内容から判断し、機能面に問題はありませんでしたし、人事システムと同一の製品で管理したほうが、情報管理の安全性が高いと判断しました。またコスト比較においても、外部委託するより、システムを導入した方がコストメリットが高いため、人事システムと同様、ProActiveに決定したのです。

マイナンバー制度の対応に向けた早めの動き出しと導入メンバーの主体的な動きにより、予定通りの本番稼動を実現

予定通りの本番稼働を迎えるため、導入の途中で発生した課題をどのようにクリアし、成功に導かれたのでしょうか?

導入プロジェクトを進める上で、特に大きな問題は発生せず、順調に進めることができました。マスタ設定も、SCSKのサポートを受けながら、旧システムからスムーズに移行することができ、問題はありませんでした。移行中に発生した課題としては、旧システムとProActiveの管理できる項目に差異があることが判明しました。これは、旧システムでは管理できない情報がProActiveでは管理できるため、旧人事システム以外で管理している情報を収集・整理することで対応しました。この課題に対し、今回の導入プロジェクトを統括するPMO(Project Management Office)から導入メンバー全員に対して、不足している情報収集を依頼しましたが、データの収集に注力することで、スケジュールへの影響は出ないかという心配もありました。しかし、メンバーが主体的に動き、期間をかけずにデータを収集してくれたおかげで、スケジュールに大きな影響を与えることなく解決することができました。運用テスト以降も、メンバー主体で実施してきたため、本番稼動後も問題なく運用できています。
旧システムからの改善点について、SCSKのコンサルタントに適宜相談をしながら取り進めていきましたが、質問への回答の早さ、質の高い的確な提案をもらうことできたのも、スケジュール通りに進んだ要因の1つだと感じています。特に、旧システムの課題であった会計システムとの連携データ出力についても、要件定義フェーズにおいてあるべき姿を伝えると、要望に対する提案を素早く的確に具体化してくれました。SCSKのコンサルタントは、業務知識が豊富で、ヒアリング力、提案力のいずれも高く、コミュニケーションがスムーズで、苦労することは全くありませんでした。 環境構築においても、SCSKがしっかりと準備してくれたおかげで、何のトラブルの発生もなかったです。選定ポイントとして、導入サポートの体制やスキルレベルを重視したことが正解だった、とあらためて実感しました。
マイナンバーの導入は、2016年1月からスタートする新しい制度でしたが、マイナンバー制度の開始に間に合わせるためには、制度が確定する前から要件定義をスタートする必要がありました。しかし、要件は洗い出したものの、制度が確定した後に、「こうした方が良い」という点がいくつか出てきました。ここで手戻りが発生してしまったのですが、どの企業でも必要と想定される機能については即時に判断し、製品の標準機能として決定いただくなど、SCSKの対応が柔軟であったため、予定通り無事に本番運用に乗せることができました。全体を通して、運用面での提案などをしっかりとしてくれたことに、非常に感謝しています。

▼新システム概要図

新システム概要図

目的であった労働生産性の向上を実現。また、メンバーの意識を変革する導入効果も。

本番稼動を迎えた現在、検討前の課題を解決など、どのような導入効果が出ているのでしょうか?

人事システムの導入目的であった生産性を向上させる業務プロセスの改善が実現されています。 まず、人事系の諸届が電子化されたため、従業員自身がシステムに入力した内容を人事サービス部で確認し、反映するだけでよくなりました。従業員においても同様で、申請用紙に入力し、印刷し、承認印をもらうのではなく、システムに登録するだけで申請できるわけです。従業員向けのサービス向上にもつながっています。また、会計システムとの連携データをProActiveから直接出力できるようになったことも、大きな効果です。従来は、データ作成を担当者が実施していましたが、出向者が多いこともあり、費用負担の変更を手作業で振り分けるなどの処置が必要で、煩雑でした。そのため、修正作業が多く、非常に負荷が高まっていました。現在は、機能を実行すれば、適切な仕訳データが作成されます。データを受け取る経理側でもチェックする必要がなくなり、人事に限らず、他部門の効率化も図れています。この業務は特に改善率が大きく、データの登録ミスは0件になり、作業効率もデータ作成で65パーセント、出向者のデータ作成に限定すると90パーセントの時間短縮を実現しました。こうした改善により、時間外労働も40パーセント減少できており、大きな効果を発揮しています。
また、マイナンバーの収集では、システムへのセルフエントリーが行えたため、効率的に収集を行うことができ、制度開始にも余裕を持って、望むことができました。

業務効率の改善に効果を発揮している新システムですが、その他の面で、何か効果や変化は出ていますでしょうか?

その他の効果として、従来の人事情報システムは、人事サービス部員しかアクセスができなかったため、必要な情報は、人事サービス部がリクエストを受け付けて、その都度データを提供していました。ProActiveでは、社員ごとに権限設定を行い、自分の権限に応じて、自由に情報を検索し、全体の把握や特定の社員情報の確認など、必要な情報をシステム上で把握することができるようになり、データの活用が促進されました。 また、人事データが整備されたことにより、他の部門から、人事データを活用したいという依頼が入るようになりました。人事サービス部だけでなく、全社的に情報を積極的に活用しようという機運が高まりつつあります。 システム導入の副次的効果として、メンバーの働き方や考え方にも変化がありました。声を掛けあいながら業務を遂行する姿が増え、風通しの良い活発なコミュニケーションにより、メンバー同士の連携がより円滑になりました。さらには、意見・課題、気になっていることを発言することで解決されていくという体験を通じて、問題意識を持ち、良い方向を目指そうとする欲求を持つようになりました。課題解決能力が、全体的に向上したと感じています。

労働生産性の向上だけでなく、様々な副次的効果が現れつつあるということですね。 最後に「今後SCSKとProActiveにどのような期待をされているか?」をお聞かせください。

導入スケジュールを守り、想定効果は予定通り発揮しなくてはなりませんでした。大きめのプロジェクトでもあり不安でしたが、SCSKの導入サポートメンバーの能力の高さはもちろん、人として信頼できる方々で良かったと思っています。現在の管理対象である17社の運用がしっかりとできていなくては、他のグループ会社への展開もできないと考えています。学研グループには約40社のグループ会社がありますが、人事システム未導入企業の統合や、その他の各社人事システム更改のタイミングが来れば、ProActiveへの集約を検討していく予定ですし、そのためのシステム基盤を整備できたと考えています。 また先ほどもお話しした通り、未統合企業の人事情報や業務経歴の情報など、まだ全ての情報をProActiveに統合できていません。そのため、人事情報の見える化を実現するため、ProActiveへの情報統合はこれから早期に解決していくべき課題です。この課題解決が実現されると、各社ごとではなく、グループ全体で見て、最適な人材配置を実現できます。たとえば、グループ横断のプロジェクトを行う際、現状は、人の記憶を頼りにプロジェクトメンバー組んでおりますが、情報を活用することで、データに基づいた最適なチーム編成が可能となるので、人材戦略の推進に向けても、手厚いサポートをお願いしたいと思っています。さらにマイナンバーは新たな制度であり、これからも国が定めた変更内容に「待ったなし」の対応をしなくてはなりませんので、迅速な対応を期待しています。今後、当社を始めとする利用企業から、多くの要望が寄せられると思います。それらの要望を吸収し、ProActiveでマイナンバーを管理するのが、『確実で最も簡単といわれるデファクトスタンダードなシステム』となることに期待をしています。 最後に、選定理由の1つにも挙げましたが、システムを組んでもらって終わりではなく、課題を解決するためのソリューションが重要と考えています。SCSKは、現在の課題に対するソリューションは当然のこと、経験値に基づいた潜在的な課題へのソリューションを提案してもらえる企業だと思っていますので、ぜひ、継続的な提案を頂ければありがたいと思っています。

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