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コラム

2019.12.12 ♦トピックス♦

キャッシュレス決済で、小売業はどう変わるのか

2019年10月からの消費税率アップに伴い、政府は「キャッシュレス・ポイント還元事業」を進めています。同事業は、時限的に消費税の負担を軽減するという目的もありますが、この機に消費の現場でのキャッシュレス化を進めたいという政府の意図もあるようです。キャッシュレス決済が進むことで、消費者や小売事業者業はどのように変わるのかを考えてみます。

中小・小規模事業者にも進むキャッシュレス決済

「キャッシュレス・ポイント還元事業」は、2019年10月からの消費税率アップに伴い、2020年6月までの期限付きで実施されています。中小・小規模事業者が対象で、同事業に参加した企業は、クレジットカード、デビットカード、PayPayなどのコード決済サービス、Suicaなどの電子マネーなどを使い、キャッシュレスで支払った顧客に2~5%を還元することができます。また、参加事業者には、決済端末の導入や決済手数料の面で優遇措置があります。

この事業は、消費税率が8%から10%に上がったことを背景にした消費者の買い控え行動を抑え、とくに打撃を受けやすい中小小売業者を救済するという目的があります。一方で、キャッシュレス対応できる店舗を増やすことで、消費者にもキャッシュレスによる買い物を浸透させ、現金を使わない消費の割合を国内でさらに増やしていこうという目的もあります。

経済産業省は、キャッシュレスの意義について、「消費者に利便性をもたらし、事業者の生産性向上につながる」としています。また、「消費者には、消費履歴の情報のデータ化により、家計管理が簡易になる、大量に現金を持ち歩かずに買い物ができるなどのメリットがあり、事業者には、レジ締めや現金取り扱いの時間の短縮、キャッシュレス決済に慣れた外国人観光客の需要の取り込み、データ化された購買情報を活用した高度なマーケティングの実現などのメリットがある」としています。
※参考: キャッシュレス・ポイント還元事業

キャッシュレス決済で、外国人観光客の需要に応える

キャッシュレス化のもう一つの狙いは、キャッシュレス決済に慣れた外国人観光客の需要の取り込みです。世界各国の消費者の行動を見ると、キャッシュレス決済がかなり進んでいることがわかります。キャッシュレス決済の割合が少ない日本は、こうした外国人観光客の需要をうまく取り込めていない可能性があります。

こうしたことからも、決済手数料の高さや支払い期日の関係からキャッシュレス対応に消極的だった小売業者が、方向転換をするという流れは、今後ますます進んでいくと思われます。

図:自宅等で整えたい作業環境例

図:各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015年、2016年)
(出典)一般社団法人キャッシュレス推進協議会:キャッシュレス・ロードマップ 2019, 2019年4月

ポイントサービスなどで、消費者にもメリット

日本で「現金支払い信仰」が強いのは、通貨が高い技術で作られているため、偽造の心配がほとんどないことが背景にあるでしょう。またクレジットカードの買い物で、無駄遣いを警戒する消費者もいます。したがって、さまざまなサービスによるキャッシュレス支払いが浸透していっても、現金で支払いをする人は残り続けるでしょう。

しかし、無駄遣いということに関しては、PayPayなどのコード決済サービスやSuicaなどの電子マネーなどを使って一定の金額だけチャージすることで買い過ぎを防げるため、こうしたサービスを利用する消費者は年々増加するとみられています。

決済サービスなどでは、一定額をチャージするたびに、ポイントサービスでポイントが付与されるものもあり、その他のキャンペーンでさらに大きなポイントが獲得できるといった消費者にとってのメリットもあります。また、小売業者もQRコードを用意しておくだけで決済が済むため、加盟店のすそ野がさらに広がりつつあります。

キャッシュレスが小売業のデータ活用を変える!?

経済産業省が立ち上げた産官学からなるキャッシュレス推進協議会は、キャッシュレス社会に関する考察のなかで、「キャッシュレス決済比率の高い国のほうが伸び率も高い傾向にあり、キャッシュレスの普及が一定のクリティカル・マス(商品やサービスの普及が爆発的に跳ね上がる分岐点)に達すると、その後一気に広まる可能性を示唆している」としています。

これは、日本においても、キャッシュレス決済が進んでいくと、ある時点から爆発的にキャッシュレス決済が進むという事態が起こりうるということです。キャッシュレス決済が進んだ店舗では、毎日の現金オペレーションも少なくなり、売上情報や在庫情報なども電子データとしてクラウドサービスなどで管理できるようになるでしょう。日々、正確な売上データが把握できることは、会計や税務関連処理の自動化にもつながります。また、決済サービスによっては、これまで把握できなかった顧客情報も提供されるようになり、さまざまなマーケティング施策が打てるようになるでしょう。

キャッシュレスでの買い物をする顧客が大幅に増えれば、小売店でこれまで以上にデータ重視の経営を実践できます。経営管理のためのコストを抑えながら、実践的なデータ活用経営が可能になるのです。キャッシュレス決済の浸透は、小売店の経営を大きく進化させる可能性を秘めているといえるのかもしれません。

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