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コラム

2020.10.28 ♦クラウドERP♦

基幹システムをERPに刷新するメリット

基幹システムと聞いてどんなことを思い浮かべますか?一般的には、企業の業務を中心的に支えるシステムと定義されており、生産、販売、在庫などの管理システム、人事給与システム、財務会計システムを指します。また、ERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)と同義と考える人もいるでしょう。今回のコラムでは、基幹システムとERPとの違いなどについておさらいするとともに、デジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる時代において基幹システムがどうあるべきかを考えていきます。

1. 基幹システムとは

基幹システムは、企業の業務を支えるシステムです。それが停止すると、受注、生産、出荷などの主要業務が停止するため、ビジネスが継続できなくなります。そのため、「絶対に止まらない」システムにしておく必要があります。また、強固なセキュリティも求められるため、さまざまなセキュリティ実装要件のハードルも高くなります。

一方で、基幹システムと分けてとらえておきたいのが、情報系システムです。情報系システムとは、社内外とのコミュニケーションや意思決定を支援するためのもので、万が一止まったとしても企業活動は継続できると考えられるシステムを指します。メールやグループウェア、スケジュール管理ツールなどが情報系といわれます。実際には「メールが止まったら企業活動は止まるからメールも基幹システムだ」と話す人も多いのですが、ここではいったんその議論には触れないようにします。

2. 基幹システムとERPの違い

近年、基幹システムとしてERPを導入した企業が多かったこともあり、現状では「基幹システム=ERP」ととらえるケースも多くなっています。実際に、基幹システムとERPにはどんな違いがあるのでしょう。

前述の通り、基幹システムは企業がビジネスを遂行するために欠かせないシステムを指します。旧来型の基幹システムでは、会計、人事、生産といった各部門がそれぞれデータベースを持ち、管理するのが一般的でした。
一方で、ERPは企業を構成する各部門のシステムを1つのデータベースで集約して管理する仕組みのことです。

ERPを導入する最大のメリットは、企業が有している「ヒト、モノ、カネ、情報」といった経営資源を全体最適の視点で管理できることです。例えば、1つの商品を売れば販売システムに計上され、それが生産システムに伝わって生産が開始され、財務システムに売り上げが登録され、担当した営業担当者の人事システムで管理している売上成績に反映するという一般的な取引を見ても、すべてが一連の流れとしてつながっていることが分かります。これを部門ごとに別々で管理するよりも、集約した方がより業務が簡素化し、高速化し、正確さも高まるわけです。

自社で開発することなく、各業界のベストプラクティスとなっているシステムをパッケージとして導入できることも大きなメリットです。特に歴史のあるERPパッケージであれば、過去のさまざまなユーザーが経験した苦労と解決の経験がぎっしり詰まっています。

例えば、取引先別の与信を可視化することによって、与信が超過した顧客との取引を抑制したり、伝票承認のワークフローをシステム化して内部統制のレベルを向上させたりといったことが可能になります。そのほか、月末や月初に集中している業務を平準化することで月次業務の負荷を軽減するなど、数え切れないほど多くの効果を見込むことができるのです。

3. 基幹システムの問題点

ここで、ERP化していない旧来型の基幹システムの問題点を整理してみましょう。基幹システムの多くは自社による追加型の開発によって長年使い続けられており、システムが複雑化していることが多くなっています。そのため、ソースコードを見ても中身が分からずブラックボックス化してしまっているなどの問題があります。また技術者の高齢化により、開発を担当した技術者の退職などが、問題の深刻さに拍車を掛けています。

そうしたシステムを総称して「レガシー(遺産)システム」と呼ぶことがあります。レガシーシステムは、いまとなっては古くなってしまったテクノロジーをベースに追加開発を繰り返しているため、新たなテクノロジーを取り入れるのが難しくなっています。世界でめまぐるしく変化し続けるビジネスの実情を考えると、それが経営リスクになってしまう可能性があるのです。

一方で、IT部門の責任者にとって、長年の資産の上に出来上がった基幹システムを手放して新たなシステムを導入することはさまざまなリスクを伴うため、必ずしも基幹システム刷新に前向きではないケースも多くあります。
つまり、基幹システムのさまざまな問題は、IT部門だけの問題ではなく、経営層なども含めて全社的な視点で考えていかなくてはならない問題だということです。

経済産業省は、「2025年の崖」という言葉を用いて、複雑化、老朽化したレガシーシステムが残った場合に想定される国際競争の喪失や経済の停滞などのリスクを表現しています。

図:約8割の企業がレガシーシステムを抱えている

図:約8割の企業がレガシーシステムを抱えている

図:約7割の企業が、レガシーシステムがDXの足かせと感じている

図:約7割の企業が、レガシーシステムがDXの足かせと感じている

(出典)一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「デジタル化の進展に対する意識調査」(平成29年)を基に作成

4. 基幹システムをクラウドERPに刷新するメリット

レガシーとなってしまった基幹システムの刷新(入れ替え)は、全社的な経営課題そのものです。その実装方法として、ERPの導入を検討する企業が多くなっています。そしていま、新しい動きとして、ERPを自社のサーバー環境ではなく、クラウドサービス上に実装する「クラウドERP」に刷新する動きが強まっています。

クラウドERPは、従来のオンプレミス版ERPの機能をクラウド環境で使えるようにするものです。クラウドであるため、企業のIT部門が自身でインフラのメンテナンスをする必要がなくなり、常に最新版のアプリケーションを利用できるようになります。これにより、国際会計基準など会計に関する法改正やマイナンバーなどの新たな制度、セキュリティ要件への対応などもクラウドサービスの提供者に任せられるようになります。

従来、ERPを導入する際にIT部門は、サーバーの選定や処理能力の設計、データベース設計、セキュリティ環境などインフラの整備に時間を掛けざるを得ませんでした。しかし、クラウドERPを導入することで、そうした作業から解放され、よりビジネスの競争力を高める支援活動に時間を割けるようになります。

実際に、今後期待されるのは、ITを活用するDXの実践です。現在、IoTのほか、AI(人工知能)やML(機械学習)、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、モバイル向け技術など新たなテクノロジーが日進月歩で進化しています。身近なところでは、RPA(Robotic Process Automation)などは急速に導入が進んでいます。RPAでは、例えばOCRと連携することで、数十年分にわたって蓄積した紙の文書を自動でデジタル化していくといった作業を実施できます。長年のノウハウをデジタル化し、分析することで、新たな競争力確保を図れるのです。クラウドERPを活用することで、このようなデジタルを駆使したビジネスの実装をIT部門が支援できるようになります。

また、新型コロナウイルス感染症によって急速に進んだテレワークを運用していく場合にも、Web環境があればどこからでも活用できるクラウドERPは親和性が高いといえるでしょう。

長年の歴史を持つ基幹システムは、社内の各部門のデータを一元管理して最適化するERPへと移行してきました。そしていま、テクノロジーの急速な進展とそれによって実現するビジネスの在り方を再考察し変化しないといけない環境の中で、クラウド上に実装するクラウドERPの刷新が注目されているのです。

(監修:青山システムコンサルティング シニアマネージャ 嶋田秀光)

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