コラム

2021.08.10
会計

2021.08.10

【知っておきたい経営・ビジネス用語解説】
連結会計:子会社や関連会社を含めた企業グループ全体の業績を示す

企業は、事業を多角化・グローバル化する過程で、しばしば子会社や関連会社を設立し、企業グループを形成していきます。こうしたグループ経営を行う際には、個々の企業単独の決算情報よりも企業グループ全体としての決算情報の方がより重要となります。今回のコラムでは、企業グループ全体としての決算情報を作成する「連結会計」について、その基本知識を紹介します。

1. 連結会計とは? 連結会計が求められている理由

連結会計とは、親会社と子会社など、支配、従属関係にある複数の企業を1つの組織体ととらえ、経営状況や財務状況を報告するための会計手続きのことで、連結決算とも呼ばれます。そのために作らなければならないのが「連結財務諸表」です。

連結財務諸表の作成は、1977年度決算からその開示が制度化され義務付けられましたが、このときはまだ個別財務諸表の補足表としての位置付けでした。その後、1999年度決算から、財務諸表の中核に連結財務諸表を位置付ける改正がなされました。会計制度のグローバルスタンダードへの対応という意味合いもあったと考えられます。

連結会計が制度化されるまでは、例えば親会社に負債があるのに、それを子会社や関連会社のものとして処理することで、親会社の業績を良好なものに見せるといった不正も可能でした。親会社の個別の財務諸表では、子会社や関連会社の業績も含めた判断ができなかったわけです。

企業の経営実態を的確に表すことのできる連結会計は、経営層が事業全体の実態をつかみ意思決定をする上でも、投資家が企業を評価する上でも、極めて重要になります。

なお、連結会計が義務付けられているのは、有価証券報告書を提出する企業で、その多くは上場企業になります。子会社がある企業でも、上場していない中小企業は対象にはなりません。もちろん、義務になっていなくても、取引先および株主などに情報を開示するために、連結決算を作成することは問題ありません。連結決算では、公認会計士や監査法人による監査を受ける必要があります。

2. 連結会計を実施するメリットとデメリット

ここで、連結会計を実施することのメリットとデメリットをまとめておきましょう。

メリット

・企業グループ全体の営業成績や財政状態を把握できる

これにより、決算を早期化できるなどの新たなメリットにつながります。決算早期化により、自社の事業をすばやく分析できるため、経営層はより迅速に経営戦略を立案できます。コスト削減や資金繰りの効率化、キャッシュフローの改善なども見込めます。

・親会社と子会社間の不正取引などを防止できる

不正の発生は企業としての存続を脅かすこともあります。不正をなくす、「守り」の施策として非常に重要と言えるでしょう。

デメリット

・連結決算書の作成が複雑化する

特に経理部など財務書類を作成する担当者への負担増が考えられるため、後述するようなシステムの導入など、専門性を持つパートナーを得ることも大切になってきます。

3. 連結財務諸表とは?

連結財務諸表は、「連結貸借対照表」「連結損益計算書」「連結剰余金計算書」「連結キャッシュフロー計算書」「連結附属明細表」で構成されます。連結財務諸表は、個別の財務諸表を基にして作成されるものの、それらを単純に合算するわけではありません。

関連する各会社の個別の財務諸表を作成した上で、投資と資本の相殺消去、債権債務の相殺消去、未実現損益の消去、持分法の適用などの処理を加え合算する必要があります。

4. 連結対象企業とは?

通常、連結財務諸表において連結の対象となるのは、株式(議決権)の50%超を所有している子会社です。しかし、所有割合が50%未満であっても、以下のような場合にも、連結対象となります。

  • 議決権を行使しない株主が存在しており、議決権の過半数を継続的に占めることができると認められる場合
  • 協力的な株主(親会社の役員、関連会社)により、議決権の過半数を継続的に占めることができると認められる場合
  • 親会社の役員、従業員が、取締役会の構成員の過半数を継続して占めている場合
  • 重要な財務および営業方針の決定を支配する契約などがある場合

ただし、子会社であっても、連結の範囲から除いても投資家などの合理的な判断を妨げない小規模な子会社は、連結の範囲に含めないことが容認されています。

5. 連結会計の実施方法

デメリットでも指摘したように、連結会計の難点として書類の作成が難しいことが挙げられます。実施するには、連結会計の専門ソフトウェアを活用することが現実的な選択肢となるでしょう。

例えば、SCSKのERP「ProActive」では、連結会計システム側の取り込みファイルレイアウトに合わせてデータを変換することに加え、連結会計用の科目やコード体系に個社の科目やコードを変換し、出力する連携インターフェース機能を備えています。必要に応じて、連結会計の専門ソフトウェアである「DivaSystem」(株式会社ディーバ)、「STRAVIS」(株式会社電通国際情報サービス)、「BizForecastFC」(プライマル株式会社)とも効果的に連携可能です。

図:複数の関連会社から集められた財務諸表を合算し、財務諸表を出力

図:複数の関連会社から集められた財務諸表を合算し、財務諸表を出力

ここまで見てきたように、連結会計はグローバル化、M&Aなどによる子会社化などで企業が中長期的に成長していく上で、核となる仕組みと言えます。財務経理担当者にとっては、連結会計を実現するためのシステムについても情報を収集しておきたいところです。

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