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2020.04.27
ERPノート

グループ経営のシナジー効果を最大化させるERP導入

グループ経営によるシナジー効果を発揮するためには、経営判断のためのデータを同じ粒度、尺度で保持していく必要があります。そのためには、財務会計や人事管理などを効率化させるERPシステムの導入が有効になります。では、グループ経営を成功させるERPの条件とは、どのようなものなのでしょうか。

1. グループ経営を成功に導くERP

グループ経営を合理的かつ効率的に進めていくには、グループを構成する個々の企業の経営に関わる情報を正確に把握し、必要とあれば、何らかの補完措置をとっていくことが重要です。企業グループであることで「もっと伸ばせる企業」や「テコ入れする必要のある企業」に対して、適切に素早く手を打つことができるわけです。人・モノ・カネの3つの側面からの支援を単独企業が各部門に行う支援策とは異なる施策を打つことが可能となります。

グループ企業でよく用いられる手法は、人の支援です。モノとカネの支援というのは、金融機関や外部の企業でも支援が可能ですが、人については、そう簡単には実施できません。実情を踏まえたうえで、必要な人材を素早く送り込み、課題を解決していくことは、グループ経営ならではの強みと言えるでしょう。

グループ企業の中での相互支援を適正なものにしていくには、個々の企業の正確な情報把握が必須となります。そのためには比較するデータは同じ粒度、尺度で保持していかなくてはなりません。ここが多くのグルーブ企業が苦労するところです。

同じ粒度、尺度で保持されたデータを得るには、同じERPシステムを導入し経営を回すことが近道です。財務関係の費目だけでなく、人材の評価項目などについても統一していく必要があります。パッケージが同じでも、違う解釈の数字で経営情報をバラバラに記録していては、正しい比較や現状認識が難しくなるからです。

もちろん、グループ企業には製造、商社、小売りなどさまざまな業態がありますし、経営陣の意向などもあり「同一ERPパッケージによる経営管理」というのは容易でありません。多くの傘下企業を有するホールディングス会社などは、10年近い歳月をかけて「統合ERPシステム」を構築し、経営の効率化を図っていくことが多いようです。海外にもグループ企業がある場合は、さらに時間がかかることも珍しくありません。

グループで同じERPを導入することで経営分析の精度が向上

図:グループで同じERPを導入することで経営分析の精度が向上

逆に言えば、同業の他グループが10年かけるところを3年で完成させ、理想的なグループ経営を推進することができれば、大きなアドバンテージとなります。

基幹系システムの統合は、経営判断のスピードアップにつながります。また連結決算用の勘定科目体系やセグメントに合わせた会計情報の組み換え作業も、システムを統合すれば自動化できるため、面倒で複雑な集計作業がなくなり、連結決算の早期化が実現できます。

また人員数や時間などの非会計データを用いて、収益性、安全性、活動性などの財務分析に用いる指標も迅速に把握できます。人事管理システムの統合による人材の一元管理は、効率的なタレントマネジメントによるキャリア支援も可能にします。

さらにグループ企業の財務会計情報が可視化されることで、経営の透明性が高まり、運用もホールディングス会社が行うようにすれば、全体のシステム運用コストも削減できます。

2. グループ経営に適したERP製品の条件とは?

では、複数のグループ企業の財務・会計・人事といった基幹システムを統合するのに適したパッケージ製品には、どのようなものがあるでしょうか。

まず、ERPとしての実績が豊富にあるものでなくてはなりません。常にユーザーおよび専門家の意見を受け入れながら、長年機能拡張をしてきた製品でなくては、おそらくグループ導入を成功させることはできません。

また全国に点在する各社からのシステムアクセスを容易とするためにWeb対応していることや、カスタマイズせずとも標準機能のままで様々な業務に適応できることも最低条件です。グループ導入では、できるだけ個々の企業にカスタマイズはしない方向で進めていきます。だからこそ、標準機能のままでも多様な要求に対応できなければ意味がありません。

さらにグループ導入における「導入メソッド」が確立していることも大切です。これは導入実績が豊富であることに関係してきます。導入メソッドとともに作成すべき資料もテンプレート化されていることで、さらに導入の手間が省けるでしょう。

こうした条件に合致するERPパッケージの一つがSCSKの「ProActive」です。ProActiveは豊富な導入実績があり、例えば導入メソッドは、280グループの導入経験を蓄積して作り上げたもので、グループ導入において押さえるべき要件と勘所を網羅しています。そうしたこともあり、現在もグループ導入実績が増え続けており、グループ導入に適したERPパッケージだと評価されています。

3. 人事給与システムを一本化したパソナグループ

「ProActive」の豊富な導入実績の中から、パソナグループの事例を簡単に紹介してみましょう。

連結子会社65社(うち海外子会社:18社)を擁する同グループは、各社の人事給与システムをオンプレミス型からクラウド型の「ProActive for SaaS 人事・給与」に一本化しました。ほぼカスタマイズせずに使い始められ、自社グループ各社や多くの企業が業務の基準とするのにふさわしい設計だったことが導入の決め手となりました。

パソナグループだけでなく、ProActiveには、多種多様なニーズを持ったユーザーによる導入・活用事例が豊富に紹介されています。こうした導入事例から、グループ企業におけるERP導入のベストプラクティスを理解し、自社グループに適した導入形態を検討してみてはいかがでしょうか。

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