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2021.06.08
経営・ビジネス用語解説

CDO(Chief Digital Officer):データ活用やDXを推進する役職として注目されるCDO【知っておきたい経営・ビジネス用語解説】

企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを加速し、CDO(Chief Digital Officer)という役職が注目されるようになりました。今回は、CDOとはどのような役割を担う役職なのかについて紹介します。

1. データ活用/データ戦略の重要性

デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が叫ばれているように、今日のビジネスにおいて、データ活用/データ戦略は極めて重要となっています。システムとビジネスの概要を理解していても、データがどこにあるか、どう活用すれば成果をあげることができるかを理解していなければ、スピーディーなビジネス改革はできません。

経営や業務における意思決定が必要な場面で、これまでは経験や勘に頼ることも多くありましたが、それでは的確な意思決定は望めません。企業内外にある膨大なデータから意思決定に必要なデータを収集し、分析することで精度の高い判断を下せるようになります。「データドリブン経営」という言葉が一般的になりつつあるように、これからの経営においてはデータを収集、蓄積、分析し活用するというデータ戦略が、より重要になってきています。そうした中で、新たな役職として注目されているのが、CDOです。

2. CDOの役割、CIOとの違い

CDOはChief Digital Officerの略語で「最高デジタル責任者」という意味です。Chief Data Officerの略語として使われることもありますが、Chief Digital Officerは業務範囲がより広く、企業のデジタル戦略全般を担い、製品やサービスの開発、ビジネスモデル、組織、業務プロセス、企業文化・風土の変革にまで携わります。

2020年12月に公表された「DXレポート2(中間取りまとめ)」※1には、CDOの役割として、次の3つを挙げています。

  • ① DXの戦略策定
  • ② DXの戦略を推進するための全社的なコーディネーション
  • ③ DX推進のための企業文化の変革

では、このようにDXの戦略策定とその遂行に責任を負うCDOと、従来から認知されているCIO(Chief Information Officer)は、どのように役割が異なるのでしょうか。

DXレポート2では、CIOは既存のITシステム一般を効率化すること等に責任があるとしています。ただし、DX推進のためには既存のITシステムのモダナイゼーション(再構築・近代化)が必要となることも多いため、両者の相互関係が重要になります。ただ、国内においてCIOとCDOの役割に関する共通認識が十分に確立されておらず、DXを経営レベルで推進できるようにするためには、両者の役割を明確にする必要があると、DXレポート2では指摘しています。

役割を分担したうえで、CDOはDXに関連したプロジェクトについてCEOやCIOと話し合い、その施策を現場の業務部門やIT部門などの社内に認識させていくことが重要と言えるでしょう。

※1 経済産業省:DXレポート2(中間取りまとめ),2020年12月

3. 進んでいないCDOの設置状況

CDOには、DXをけん引する経営層の機能として、経営トップや事業部門、現場等との意思疎通や合意形成を促進し、DXを推進するための適切な人材のアサイン、有効なデジタル技術の導入・活用できるようにすることが求められます。

システムやそれに関連するデータについての知識はもちろんですが、課題設定やもっとも優先的に対処しなくてはならないのは何か?を明確にできる力量が問われると言えるでしょう。また、ビジネス戦略にもコミットするため、ビジネス部門とのコミュニケーションを密にとれる人材が求められます。つまり、CDOは社内業務、システム、業界についての知識に精通した「コンサルタント」的な性格を持つ役職と言えるのです。

とはいえ、こうした人材は稀少で、一朝一夕に育成することも難しいというのも事実です。実際、国内では米国、英国、ドイツと比べて、CIOやCDOを設置している企業はまだまだ少数派というのが実情です。DXを早急に推進するうえでは、CIOやCDOという役職を設置しないまでも、同様の役割を担う人材を任命するといったことを検討しなければならないでしょう。

4. データ活用/データ戦略立案に必要なシステム

企業がデータ活用/データ戦略を進めていくうえで、人材としてのCDOの重要性とともに、ITシステムが重要な役割を担うのは言うまでもありません。中でも重要になるのが、データを「サイロ化」させることなく一元管理できる“場”です。例えば、「ERP」を使えば、販売データ、会計データ、人事データなど企業経営に必要な情報を効率的に収集・蓄積できます。また、「データレイク」を使えば、あらゆる形式のデータをそのままの形式で蓄積でき、必要な時に取り出して加工することができます。

また、ERPやデータレイクなどに蓄積した情報を分析・加工するのに欠かせないのがBIツールです。蓄積されたデータを様々な角度から分析でき、新たな気づきを見つけ出すことができます。さらに近年ではAIを活用した分析や、データサイエンティストを活用したビッグデータ解析も広くおこなわれるようになりました。

データ活用は、様々なビジネス課題の解決や、ビジネス戦略を生み出すエネルギーとなります。DXを推進するために、どのようなシステムを構築し、多角的なデータ分析ができるようするかを指示することも、CDOの重要な役割と言えるでしょう。

5. 安全で運用しやすいハイブリッドERP「ProActive」

上述の通り、企業がデータ活用/データ戦略を進めていくうえで重要なITシステムは複数ありますが、ここではERPについて少し紹介します。
SCSKが提供するERP「ProActive」は、国産初のERPとして、28年間、6,200社、280の企業グループを超える導入実績があります。
ニーズに応じてオンプレミス、マネージドサービス、SaaSから利用形態を選択できるハイブリッドな構成が可能です。セキュリティポリシーやガバナンスなどによりオンプレミスで運用したいシステムやデータが存在する場合でも、柔軟に対応することができます。また、国産ERPならではの迅速な法改正対応と高い業務適合率も、多くのユーザー企業から支持されている理由です。

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