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2021.05.11
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2021.05.11

【知っておきたい経営・ビジネス用語解説】
電子署名:加速する“脱ハンコ”。
組織間の契約業務をスピード化する「電子署名」「電子サイン」

“脱ハンコ”という言葉を頻繁に耳にするようになりました。脱ハンコは、業務を効率化する大きなきっかけにもなるため、組織間で取り交わされる契約書やさまざまな書類に関しても、ハンコの代わりに電子署名や電子サインの導入が進んでいます。今回は、その電子署名や電子サインについて詳しく紹介します。

1. 電子署名と電子サインの違い

“脱ハンコ”という言葉がメディアの報道で踊るようになったのは、河野太郎行政改革担当大臣が行政手続きの押印廃止に向けた取り組みを発表したのがきっかけでしょう。また、それ以前から、企業がテレワークを実施するなかで「押印をするためだけに従業員が出社しなくてはならない」といった事情がクローズアップされ、その不合理さが指摘されていました。

こうしたなかで、企業内部の手続きにおいては、申請・承認業務におけるワークフロー、経理業務における「電子帳簿保存法」対応など、文書の電子化・ペーパーレス化が進んでいます。

一方、企業間の取引・契約などにおいても文書の電子化・ペーパーレス化による業務のスピードアップや効率化を目指し、それを実現するソリューションとして、電子署名や電子サインが注目されています。

ここで、電子署名と電子サインの違いについて説明しておきましょう。

電子署名は、第三者機関の電子認証局が発行する「電子証明書」によって、「その文書の署名者が本人であること」「文書に改ざんがないこと」を担保します。電子署名は電子署名法に準拠しており、証拠力が非常に高く、高いガバナンスが求められる契約などで利用されます。

一方、電子サインは、電子証明書の発行はなく、メールやシステムログを用いて本人性の確認を行います。電子サインは電子署名のように法的な証拠力はありませんが、自社も相手先も運用負荷が少ないので、手軽に利用できるのがメリットです。

紙の契約書における押印は、文書の内容について署名者が“正しく本人であること”、つまり「本人性」を担保することを意味していました。この本人性を、電子署名は電子証明書が、電子サインはメールやシステムログが担保してくれるということです。

図:電子署名と電子サインの違い

図:電子署名と電子サインの違い

2. 電子署名/電子サインを利用した電子契約のメリット

ここで、電子署名/電子サインを利用した電子契約のメリットを整理しておきましょう。

業務の効率化、スピードアップ

紙文書では、印刷、製本、押印、郵送などの手続きが発生します。また、郵送による時間もかかってしまいます。さらに、書類のファイリングのための手間も発生します。

コスト削減

紙文書では、印刷・コピー代、封筒代、郵送費、これらに関わる人的コストも発生します。また、紙の契約書では印紙税がかかり、契約内容や金額によってはその費用も大きな負担となります。

保管スペース

電子的に保管することで、キャビネットや倉庫などの物理的な保管スペースが必要なくなります。また、検索性も向上します。

コンプライアンス強化

紙文書には改ざんのリスクがつきまといます。電子的な契約であれば、誰が、いつ関わったのかがログとして残るため、コンプライアンス強化に役立ちます。

ここまでメリットを紹介してきましたが、留意すべき点もあります。それは、電子署名/電子サインは、自社の思いだけでは実施できず、取引相手の意向もあるということです。取引先の理解・同意が必要であることを念頭におき、同意されない場合の対応(たとえば、従来どおりの紙文書でやりとりしPDF保管するなど)も検討しておきましょう。

3. 電子署名/電子サインの導入イメージ

重要な文書には電子署名、法的な証拠力までは必要としない時には電子サインを利用するというのが、現実的な選択肢になるでしょう。

たとえば自社の署名は電子署名を利用し、契約先の署名は電子サインを組み合わせたハイブリッドな利用方法で、顧客など相手先の負担は減らしつつ、自社のガバナンスは維持することもできます。そうした使い方に対応したソリューションも出ているので、検討してみるとよいでしょう。

また、電子署名を利用する場合、電子証明書の発行コストがかかります。この費用は1件数万円から数千円までさまざまですが、価格だけで判断するのではなく、正しく情報開示をしているか、利用者数の実績やどんな企業が利用しているのか、といった情報も検討する必要があるでしょう。

取引先との契約書だけではなく、「押印が必要」という書類は他にも存在するものです。そうしたときに、電子署名や電子サインを導入しておくことで、完全なペーパーレス化を実現することも可能になります。

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