コラム
ERPのグループ導入で経営課題を改善!
おすすめのERPパッケージや導入事例も紹介
グループ経営においては、各社からのデータ収集や全体の経営状況の可視化などが難しい課題となりがちです。また、ERPのグループ導入を検討する際に、「適したERP製品がわからない」という方もいるかもしれません。そこで、この記事では、グループ経営によくある課題やおすすめのERPパッケージ、導入事例について解説します。
目次
- 1 グループ経営において発生しやすい3つの課題
- (1)グループ各社から必要なデータを収集するのが難しい
- (2)グループ全体の経営状況を可視化するのが難しい
- (3)グループ全体で改善策を実行するのが難しい
- 2 グループ経営の課題解決ならERP導入がおすすめ
- 3 ERPをグループ導入する主なメリットは4つ
- (1)情報の一元管理による経営の透明性向上
- (2)業務プロセスの標準化による効率化
- (3)コスト削減
- (4)意思決定の迅速化
- 4 グループ経営に適した条件を満たすERP製品を選ぶことが重要
- (1)グループ経営のニーズに対応できる機能が備わっている
- (2)直感的に操作できる
- (3)ベンダーのサポート体制が整っている
- (4)グループ導入実績が多くある
- 5 グループ導入におすすめのERPパッケージはProActive
- 6 ProActiveのグループ導入の事例
- (1)株式会社クボタ
- (2)ミナトホールディングス株式会社
- 7 ProActiveなら経営情報の可視化も簡単
- 8 まとめ
1. グループ経営において発生しやすい3つの課題
グループ経営で発生しやすい課題としては、主に以下の3つが挙げられます。
• グループ各社から必要なデータを収集するのが難しい
• グループ全体の経営状況を可視化するのが難しい
•
グループ全体で改善策を実行するのが難しい
(1)グループ各社から必要なデータを収集するのが難しい
グループ経営で発生しやすい課題のひとつは、グループ各社から必要なデータを収集するのが難しい点です。グループ経営では、それぞれの会社で別々のシステムやフォーマットを使ってデータを管理しているケースも少なくありません。各社で異なるシステムやフォーマットでデータを管理している場合、データ形式を統一する必要があり、データの収集・集計に多くの手間が発生します。
また、データフォーマットが異なることで、同じデータでもデータの品質や粒度、状態にバラツキが生まれます。その結果、最新の状況を把握しにくくなり、迅速な経営判断を行うことが難しくなってしまうでしょう。
(2)グループ全体の経営状況を可視化するのが難しい
グループ経営では、グループ全体の経営状況を可視化するのが難しいことも課題です。グループ傘下の各社は、異なる業界・業種で事業展開を行っている場合も多く、各社で経営指標が異なることもめずらしくありません。各社で経営指標が異なる場合、会社間の経営状況を比較・分析することが難しく、グループ全体で統一的に経営状況を捉えることは困難です。
加えて、各社のデータをグループ本社にうまく連携できていないことで、本社側でデータの分析・可視化を十分に行えず、グループの経営課題を特定できない事態に陥る可能性があります。
(3)グループ全体で改善策を実行するのが難しい
グループ経営で発生しがちな課題としては、グループ全体で改善策を実行するのが難しい点も挙げられます。グループ経営は、複数の事業会社の集合体となっているため、経営上の問題が発生した場合に責任の所在が曖昧になりやすい傾向があります。
また、グループ経営では大規模な経営活動を行える反面、会社ごとの経営効果が見えにくくなりがちです。各社の経営効果が見えにくいことで、現場のモチベーションの低下につながり、グループ各社が自主性を持って改善策の実行に取り組まないおそれがあります。
2. グループ経営の課題解決ならERP導入がおすすめ
前述したようなグループ経営の課題を解決するためには、ERPの導入がおすすめです。ERPは「Enterprise Resource Planning」の略であり、日本語に直訳すると「企業資源計画」になります。会社全体の経営資源を一元管理し、経営に活かすことを目的とした考え方や計画のことです。
ERPでは、販売管理や生産管理、購買在庫管理、会計管理、人事給与管理など、企業活動を支える基幹業務をまとめて管理することができます。それにより、社内のさまざまなデータを一元化し、業務効率化や意思決定の迅速化を実現することが可能です。
では、グループ経営の課題解決になぜERPがおすすめなのかについて、次章で詳しく解説します。
3. ERPをグループ導入する主なメリットは4つ
グループ経営の課題解決に向けて、ERPをグループ導入するメリットには主に以下の4つが挙げられます。
(1)情報の一元管理による経営の透明性向上
ERPをグループ導入することで、情報の一元管理を実現でき、それによって経営の透明性向上にもつながる点がメリットのひとつです。グループ全体で共通のERPシステムを導入することで、財務管理などの企業活動において重要な情報を一元管理することが可能です。
また、これまでバラバラに管理されていた情報をグループ全体で一元管理することで、経営層がグループ全体の状況をリアルタイムで把握できるようになります。その結果、常に可視化された最新の情報を捉えることができ、透明性の高い経営活動を行えるようになるでしょう。
(2)業務プロセスの標準化による効率化
ERPをグループ導入するメリットとしては、業務プロセスの標準化による効率化も挙げられます。ERPシステムには、連結会計機能やワークフロー機能など、さまざまな業務モジュールが用意されています。たとえば、連結会計機能を使うことで、グループ全体での会計データの集計や決算業務を効率的に行うことが可能です。
グループ全体で共通のモジュールを使用することで、標準化したプロセスで業務を推進することができるようになり、業務の効率化につながります。
(3)コスト削減
コスト削減を実現できる点もERPをグループ導入するメリットです。ERPをグループに導入し、システムを共有することで、以下に挙げるような費用を削減できます。
• システム導入コスト
• 運用コスト
• ライセンス費用
各社でバラバラなシステムを使っている場合、それぞれのシステムで運用コストやライセンス費用がかかるため、グループ全体で見ると無駄なコストが発生しているケースも少なくありません。一方で、グループ全体でERPシステムを共有すれば、無駄なコストを省いた効率的なシステム運用が可能になります。
(4)意思決定の迅速化
ERPをグループ導入することにより、意思決定の迅速化につながる点もメリットです。グループ各社に共通のERPシステムを導入することで、システムを通じて各社の情報をスムーズに収集できるようになります。必要な情報はいつでも参照できるため、データの分析・可視化を素早く行うことも可能です。
また、データの分析・可視化を素早く行えるようになることで、経営層や責任者層がタイムリーに経営情報を確認できるようになります。その結果、常に最新の経営状況を捉えた迅速な意思決定を実現できるでしょう。
4. グループ経営に適した条件を満たすERP製品を選ぶことが重要
ERPをグループ導入する際は、グループ経営に適したERP製品を選ぶことが重要です。グループ経営に適さないERP製品を導入した場合、グループ経営の効率化を実現することが難しくなってしまうため注意しましょう。
具体的には、以下の条件を満たしたERP製品を選ぶことがポイントです。
(1)グループ経営のニーズに対応できる機能が備わっている
ERP製品を選ぶ際は、グループ経営のニーズに対応できる機能が備わっているかどうかを確認しましょう。具体的には、連結会計機能やワークフロー機能などがグループ経営において必要な機能となります。また、勘定科目などのマスタデータをグループ共通データとして管理できれば、グループ経営の効率化に役立つでしょう。
さらに、他システムとの連携が容易に行えるかどうかも確認しましょう。単体の事業会社によっては、独自で外部データの取り込みを行っていたり、顧客管理システムや分析ツールなど周辺システムへの連携を行っていたりします。そのため、外部データ取り込みが行えること、多様な周辺システムへの連携が行えることを確認しましょう。
ERP製品のなかには単体の事業会社のみを対象とした製品もあるため、グループでの経営管理に適した製品であるかを忘れずに確認することがポイントです。
(2)直感的に操作できる
ERPをグループ導入する際は、直感的に操作できるERP製品を選定することも大事なポイントとなります。グループ企業にはさまざまな従業員が在籍しており、必ずしもシステムの操作に慣れている人ばかりではありません。操作が複雑なERP製品を選んだ場合、業務現場でなかなか活用されないシステムとなってしまうリスクがあります。
グループ全体でERPを十分に活用していくためには、従業員が使いやすいユーザーインターフェースを持っているERP製品を選ぶことが大切です。
(3)ベンダーのサポート体制が整っている
ERPのグループ導入にあたっては、ERPベンダーのサポート体制も注意すべきポイントです。ERPは導入して終わりではなく、導入後は日々の業務で使っていく重要なシステムとなります。そのため、使っていくなかで不明点やトラブルが生じた際に、しっかりとサポートしてくれるベンダーであるかどうかを確認することが重要です。
また、導入後に製品の不具合や、法改正があった場合に製品のバージョンアップ対応が行われるのかを事前に確認しておきましょう。製品の不具合や法改正の度に追加コストが発生するようでは、運用コストが増大してしまいます。無償でバージョンアップされるのか、される場合はいつまで対応されるのか確認しておくことも重要です。
導入や運用に関するサポート内容や体制、期間を確認し、充実したサポート対応を行っているベンダーを選ぶようにしましょう。
(4)グループ導入実績が多くある
ERPのグループ導入にあたっては、選定したERP製品の導入実績・導入事例が豊富であることがポイントです。導入実績が乏しいと製品の不具合が多く、障害が発生してしまい、ERP導入に高いコストをかけたにもかかわらず失敗してしまうことがあります。最悪のケースでは自社の業務が止まってしまい、経営に影響を及ぼす可能性も考えられます。
ERP製品を選定する際には、導入実績・事例が豊富で、グループの規模にも対応できることを確認したうえで、安心して導入できるように進めましょう。
5. グループ導入におすすめのERPパッケージはProActive
ERPをグループ導入する際は、グループ共通システムとして300グループの導入実績を誇るERPパッケージであるProActiveがおすすめです。ProActiveは、グループ各社のデータの一元管理や業務プロセスの標準化などに役立つ豊富な機能を備えており、グループ経営における財務情報や人材情報の可視化を実現します。
また、各社で共通の経理業務ルールや勘定科目の設定・管理ができ、各社の会計情報をリアルタイムに収集して常に最新のグループ経営状況を把握することも可能です。
他にも、ユーザーごとに項目の設定(表示・非表示選択、項目名変更など)や画面レイアウトの変更ができる「画面パーソナライズ機能」を備えており、日々の使いやすさにこだわったUI・UXとなっていることも特徴です。マルチデバイスにも対応しているため、外出先やリモートワーク時でも利用できます。
6. ProActiveのグループ導入の事例
ここでは、ProActiveのグループ導入の事例について、以下の2社の事例を紹介します。
• 株式会社クボタ
• ミナトホールディングス株式会社
(1)株式会社クボタ
株式会社クボタは、世界の農業を支える農業ソリューション、世界の水インフラを支える水環境ソリューション、社会と産業の基盤を支える環境ソリューションを提供する幅広い事業を世界120か国で展開しているグループ企業です。同社は、グループ各社の基幹システムがブラックボックス化して業務プロセスの変革に対応しにくいこと、企業・業務ごとに個別のシステムのため在庫状況のリアルタイム把握が困難であることを課題としていました。
そこで、販社グループ13社、約6,500名が利用する共通基幹業務システムをProActiveで構築。ProActiveを選んだポイントは、受発注業務・在庫管理などの標準機能が豊富である点やパッケージの保守期限がない点でした。また、周辺システムとの連携面も含めて豊富なグループ導入実績を有していることも導入の決め手となったそうです。
ProActiveを導入した結果、受注残や在庫状況の一元管理によるリアルタイムな状況把握を実現。業務プロセスの統合もでき、業務の標準化も実現している事例です。
参考:導入事例|株式会社クボタ
(2)ミナトホールディングス株式会社
ミナトホールディングス株式会社は、電子部品・機器やデジタル会議システム、ITシステム開発などさまざまな事業を展開する企業グループの経営管理を担う持株会社です。エレクトロニクスメーカーとして60年以上にわたり培ってきた技術力を強みとし、M&Aや新規事業、海外展開の3本柱で成長を続けています。
同社は、グループ各社で会計システムがバラバラであり連結財務諸表の作成が非効率であったこと、各社の会計システムに直接アクセスできず各社の経理担当者とのやり取りに時間がかかることを課題としていました。そこで同社は、国内グループ9社の会計システムをProActive C4で統一することを決断。
ProActive C4を選定した理由は、グループ管理が可能な点や、クラウド導入によってネットワークの制約を受けずにアクセスできる点でした。また、同社のニーズを聞き取り、グループ間取引の集約機能を標準機能として実装できることになったのも大きな決め手となったそうです。
ProActive C4を導入した結果、連結決算業務の効率化を実現。具体的には、3カ月分のグループ間取引の集計に2日かかっていた作業がボタン1つで完了できるようになりました。また、クラウドでの利用により、グループ間でネットワークの制約を受けないスムーズなアクセスも実現しています。
7. ProActiveなら経営情報の可視化も簡単
ProActiveでは、ProActiveにて収集・蓄積されたデータと、Amazon QuickSightに予め用意したダッシュボードテンプレートを連携することにより、複雑なデータが可視化され、経営判断における重要な指標としてデータを活用できます。データの分析・可視化により、グループの経営課題を迅速に把握することが可能です。
プレスリリース
SCSKのERP「ProActive」、Amazon QuickSightと連携し
中堅企業のデータドリブン経営を支援する「ダッシュボードソリューション」を提供開始
8. まとめ
グループ経営では、各社からのデータ収集やグループ全体の経営状況の可視化などにおいて課題が生じがちです。グループ経営の課題解決にはERPが効果的であり、ERPの導入によって情報の一元管理や業務プロセスの標準化、コスト削減、意思決定の迅速化などのメリットを享受できます。
ただし、グループ経営に適したERP製品を選定する必要があり、機能性や操作性、サポート体制などは十分に確認しておきましょう。グループ導入におすすめのERPをお探しの方は、グループ共通システムとして300グループの導入実績を誇るProActiveをぜひご検討ください。
株式会社オムニオン
代表取締役
小野光
大手コンサルティングファームPwCにてSCMや会計などの大規模ERPパッケージ(SAP)導入プロジェクトに深く携わり、SAPのスキルを磨き独立。
独立後も、製造・販売・商社・小売・エネルギー・機械メーカーと様々な業界で大手クライアントのプロジェクトを多数経験。
グループ導入事例
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